“インクルーシブ教育”で共生社会実現へ
障がい者と健常者の相互理解を

横浜国立大学教育人間科学部附属特別支援学校&附属横浜中学校


大元よしき (たいげん・よしき)  ライター

1962年東京生まれ。外資系IT企業からライターに転身。スポーツのほか、歴史関連も執筆中。著書に『あの負けがあってこそ』『命のバトン―自閉症児と個性派不登校児の教室』『1万回の体当たり―タックルマン石塚武生 炎のメッセージ』(以上ウェッジ)、『一緒に見上げた空』(扶桑社)。

障害者アスリート~越えてきた壁の数だけ強くなれた

世界最高峰の障害者スポーツ大会『パラリンピック』を目指すアスリートたちの「乗り越えてきた壁」に焦点を当て、スポーツの価値や意義を問うと共に障害者アスリートを取り巻く環境について取材していく。

»最新記事一覧へ

2015年12月7日、文部科学省が推進するインクルーシブ教育システム構築モデル事業の一環として、横浜国立大学教育人間科学部附属特別支援学校(以下、附属特別支援学校)と同附属横浜中学校が、ウィルチェアーラグビー(車椅子ラグビー)の体験授業を行い、両校合わせ約100名とウィルチェアーラグビー選手が交流を図った。

選手によるデモゲームの様子

 本年度「インクルーシブシステム構築モデル事業(学校における交流及び共同学習を通じた障がい者理解(心のバリアフリー)の推進)」を行っているのは神奈川県内では唯一この附属特別支援学校だけである。障がい者と健常者がいっしょにスポーツを楽しむことによって、相互に理解を深め、多様性を認め合う意識を育てることと、心のバリアフリーを図ることが主な目的である。

 この日集まったのは、神奈川県や埼玉県を拠点とする横濱義塾やAXE、BLITZから、ウィルチェアーラグビー日本代表を含む9名の選手たちだ。所属チームやニックネームを自己紹介したあとデモゲームを行い、競技用車椅子「ラグ車」同士のぶつかり合いや高度なチェアスキルを見せた。

 公式戦では厳しいプレーを見せる選手たちも、中学生・高校生の前ではいたって遠慮がちにコンタクト。それでも体育館には「ラグ車」の衝突音がよく響いた。そのたびに「すご~い!」「はや~い!」「がんばれ!」などの明るい声援と拍手が沸き起こった。

 その後、選手と生徒の混成チームのゲームでは、両校の生徒たちが初めて車椅子を使うスポーツを体験した。両手でタイヤを動かしながら、ボールをもらって右へ、左へ相手をかわして、そこへガツン!……。「見た目ほど簡単じゃない」と思っている様子がなんとも微笑ましい。

 生徒たちは、初めての体験にとまどいながらも、周りから大声援を受けてゲームを楽しんでいた。

1
nextpage
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
「障害者アスリート~越えてきた壁の数だけ強くなれた」

著者

大元よしき(たいげん・よしき)

ライター

1962年東京生まれ。外資系IT企業からライターに転身。スポーツのほか、歴史関連も執筆中。著書に『あの負けがあってこそ』『命のバトン―自閉症児と個性派不登校児の教室』『1万回の体当たり―タックルマン石塚武生 炎のメッセージ』(以上ウェッジ)、『一緒に見上げた空』(扶桑社)。

WEDGE Infinity S
ウェッジからのご案内

Wedge、ひととき、書籍のご案内はこちらからどうぞ。

  • WEDGE
  • ひととき
  • ウェッジの書籍