BBC News

2016年2月22日

シリア国営メディアなどによると、首都ダマスカスと主要都市ホムスで21日、爆弾攻撃が相次ぎ、少なくとも合計140人が死亡した。

国営メディアによると、ダマスカス南郊の住宅地サイエダ・ゼイナブで少なくとも4回の爆発があり、少なくとも83人が死亡。また、シリア情勢の監視団体によると、これに先立ち西部ホムスでは、自動車爆弾による連続攻撃で少なくとも57人が死亡した。ホムスの被害者の大半は民間人という。

いわゆる「イスラム国」(IS)が2都市の攻撃について犯行声明を出している。

ケリー米国務長官は同日、ヨルダン・アンマンで会見し、シリア内戦の部分的停戦合意についてロシアと「暫定合意」に達したと発表した。

ISが嫌悪する宗派の地区

ダマスカスとホムスで攻撃された地域は共に、イスラム教スンニ派の過激派からなるISが激しく嫌悪する宗派の住人が多数を占める。

ダマスカスで攻撃されたサイエダ・ゼイナブにはシーア派にとって最も重要な廟所があり、中には預言者ムハンマドの孫娘の墓があるとされている。国営サナ通信社は少なくとも83人が死亡、178人が負傷したと伝えた。

IS系のアマク通信は、IS戦闘員が自動車爆弾を爆発させた後、自爆ベルトを爆発させたと伝えた。

サイエダ・ザイナブは1月31日にも自爆攻撃を受け、71人が死亡。この時も、ISが犯行声明を出している。

ホムスでは、アサド大統領と同じアラウィ派が住民の多数を占める地区が攻撃された。シリア国営テレビは、破壊された建物や車両の映像を放送した。

アサド政権に反旗を翻す反政府運動の初期の拠点だったホムスは、かつて「革命の首都」と呼ばれたこともある。しかし政府との停戦合意によって昨年末に反政府勢力はホムスを退去し、現在は政府の支配下にある。

英国に拠点を置く非政府組織「シリア人権監視団」は、この2都市での攻撃の一方で、政府軍がロシア軍機の爆撃支援を受けながら北部アレッポの東部に進攻し、IS戦闘員を少なくとも50人殺害したと報告している。

シリアを「救った」大統領に

一方でケリー長官は、停戦に向けて進展があったと述べ、前向きな見通しを強調。ロシアのラブロフ外相と会談し、停戦条件の大枠について合意したという。

2月初めにはシリア情勢に関わる主要国が19日までに「戦闘行為の停止」を求めると合意したが、実現しないまま締め切りは過ぎた。

他方でアサド大統領は、シリアを「救った」人物として記憶されたいとスペイン紙の取材に答えている。

スペイン紙エル・パイスの取材に、10年後の自分はどうなっていると思うか尋ねられたアサド氏は、「もしシリアが安全な場所になっているなら、私は国を助けた人間ということになる。それが今の私の仕事、私の任務だ」と答えた。

アサド氏はさらに、政府軍がアレッポの反政府勢力地区を包囲しつつあり、IS勢力の主要拠点ラッカに向けて前進していると述べた。

大統領は、「テロリスト」が自分たちを利するために停戦合意を悪用しないよう、保証がされるなら、暫定停戦を実施する用意があるとの立場を示した。

アレッポへの政府軍侵攻を受けて、多くの住民が隣国トルコへ逃れようとしている。この状況で、トルコ政府が負傷したシリア人の入国を拒否していることについて、人権団体アムネスティー・インターナショナルはこれを批判し、国境を閉じないように要請した。

アムネスティーの危機対応責任者、ティラーナ・ハッサンさんは「トルコの受け入れ態勢は極めて恣意的で、とんでもないことだ。重篤な重傷者しか国境を通過させず、治療しない。戦闘を逃れようとするほかの人は全員、何の保護も得られていない」と非難している。

(英語記事 Syria conflict: Homs and Damascus bomb blasts kill 140)

提供元:http://www.bbc.com/japanese/35628082

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