BBC News

2016年2月25日

経営再建中のシャープは25日、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業に第三者割当増資を実施し4890億円を調達すると発表した。

鴻海傘下入りは2日間にわたる取締役会の終了後に正式に発表された。これまで海外資本の参入があまりなかった日本の電機業界で、主要企業が初めて外資の傘下に入ることになる。

シャープ再建をめぐっては、政府系ファンドの産業革新機構などが支援を申し出ていた。政府関係者からは、ディスプレイ装置の独自技術を持つシャープが海外勢の傘下に入ることへの懸念の声も出ていた。

鴻海はアップルのiPhoneのほぼすべての組み立てを手掛けている。

シャープは全世界で約5万人以上を雇用。1912年に創業し、1915年にはシャープペンを開発。テレビ技術についてもパイオニア的な役割を果たした。

近年は負債が積み上がり経営難に陥っていたが、高い液晶技術を持つ。鴻海にとって魅力のある資産だ。

元シャープ技術者で現在は立命館アジア太平洋大学教授の中田行彦氏は、AFP通信の取材に対し、シャープと鴻海は世界の舞台でうまく補完し合えると語った。

「シャープは研究開発に長けている一方で、鴻海はアップルといった顧客への製品の売り込み方を知っている。製造技術もある。一緒になれば世界に打って出られる」と述べた。

シャープは今月、2015年4‐12月期決算で連結最終損益が1083億円の赤字となったと発表。予想よりも悪い数字となった。

2012年には経営破綻寸前にまでなり、これまでに主要取引銀行による2回の支援を受けている。鴻海は2012年に初めてシャープ支援に名乗りを上げたが、話し合いは決裂していた。

買収の背景 カリシュマ・バスワニ、 アジア・ビジネス特派員

日本の電機業界の巨人を立て直すのは、控えめに言っても大変だろうが、外資の買収を実質的に拒否してきた業界であれば、なおさらだ。

日本の電機業界は極端に内向きで、これまで外部からの参入に尻込みしてきたからだ。

一部には、日本企業の高い技術が海外に流出するという懸念も背景にあるが、恥ずかしい部分を他人には見せたくないという日本の企業文化も反映している。

しかし、困難な時にはナショナリズムよりビジネス判断が優先される。

シャープは鴻海傘下に入ることで、液晶パネルの販売先を拡大し、新たな資金やアイデアを得ることができる。

しかし、経営立て直しは容易ではないだろう。2回の支援を経ても状況を変えることはできなかったからだ。これまでの支援者ができなかったことが、鴻海にはできるだろうか。

(英語記事 Japan's Sharp accepts $4.3bn takeover bid from Taiwan's Foxconn)

提供元:http://www.bbc.com/japanese/35657351

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