BBC News

2016年2月26日

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米大統領選のネバダ州共和党党員集会で、実業家ドナルド・トランプ氏が圧勝した。それを伝える記事の多くは、トランプ氏がいかにヒスパニックや女性や高学歴の有権者にまで支持基盤を広げたかを見出しでうたった。しかし本当にそうなのだろうか?

勝つのが好きな人が勝った。しかも大勝した。

公職に就いたことのない億万長者は、40%以上獲得できない候補のはずだった。ネバダ州ではその天井を突破して、46%近くの票を得た。

また白人票に頼りすぎる候補とも呼ばれてきたが、しかし23日のネバダ州党員集会では、ヒスパニック系の票の45%を得た。対立候補が2人ともキューバ系米国人なのにもかかわらず、2人を大きくしのいだのだ。

加えて、大学教育を受けていない人たちに頼りすぎどころか、高学歴者からも強く支持された。

こうした一連の結果を見る人は、大したものだと思うだろう。しかし実は、裏があるのだ。

CNN、CBSなどの調査によると、トランプ氏は全体の46%、ヒスパニック票の45%、大卒者票の40%、白人票の47%を獲得した。

つまり、共和党の候補指名獲得はほぼ確実といえるのだろう……か?

様々な属性の有権者グループで幅広く強力な支持を得ている候補がいる場合、その邁進を止めるのはほとんど不可能だ。

しかしネバダ州で実際に何人が、トランプ氏に投票したのだろう。

トランプ氏の得票数は3万4531票。米国勢調査局によるとネバダ州の総人口は290万人。つまりトランプ氏の得票率は、ネバダ州全体の1%にあたる。

米国の総人口は3億1900万人なので、トランプ氏のネバダ州での得票数は米国全体の0.001%だ。

3万4531票という数字の意味をもう少し比較によって考えてみる。

リヒテンシュタインの2015年の人口が、約3万7000人。

週末にトットナム・ホットスパー対クリスタル・パレスの試合にでかけた人数は、3万5547人。

英国の2015年総選挙でキャメロン首相が、自身のウィットニー選挙区で獲得した票数は3万5201票だった。

とはいえ、トランプ氏が今後、もっと人口の多い大きい州でネバダ州と同じような形で圧勝する可能性はもちろんある。しかし、本当に広い有権者の支持を得られるのかどうかは、まだわからない。

その結果が出るのは3月1日のいわゆる「スーパー・チューズデー」。11の州が、7月の全国党大会で支持する候補を選ぶ。

(英語記事 US election 2016: The untold story of Donald Trump's win)

提供元:http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-35657140

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