2024年4月19日(金)

山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

2016年3月1日

西回りは寝ない
東回りは無理してでも寝る

 一方、長距離のフライトはまとまった睡眠を得るのに有効である。相対的に機内の気圧が下がるのでなんとなく眠くなってくる。α波が出やすいリラックスした浅い睡眠であるが、私の場合は出張前日に遅くまでの付き合いや仕事をする機会が多いので機内では直ぐに寝てしまうことが多い。これが時差の解消に役に立つのである。

 長距離フライトで「西回り」の場合は無理してでも起きていて現地の夜になるのを待って深い睡眠をとるのが時差解消の秘訣である。

 「東回り」のフライトの場合は眠くなくても睡眠をとった方が良いというのが私の経験則である。長年の海外出張の経験から僕の場合はどこででも寝ることができる体質になってしまった。若い時は機内では中々寝ることが出来なかったが、中央アジアやロシアの危険極まりないフライトに乗っている内に寝ていれば恐怖を感じなくても良いので、機内では寝ることが「習い性」になってしまったのである。海外出張や海外旅行ではただでさえハードスケジュールになりがちなので時差の影響で体調を崩してしまうことのないように機内睡眠は小まめにとることが大切である。

機内思考のススメって何のこと?

 さて、タイトルに「機内思考のススメ」と書いたのは私がこの異質空間で普段の生活では得られない新しい発想が湧き上がってきた経験があるからだ。長時間のフライトでずっと睡眠をとっている訳にも行かないので起きている間は何かを考え始めるのである。私の場合は仕事のアイデアや執筆や講演会の構想やエッセイのネタ探しに機内であれやこれやとアイデアを練っている。

チベット仏教の聖地、ポタラ宮(iStock)

 私にとってはアイデアを絞り出すのに機内は格好の環境である。なぜなら、修験道や山岳宗教と同様に標高の高い上空では大脳が活発になるのではないかと感じているからだ。ラマ僧がチベットの山岳地域で悟りを開くのも高度と関係があるといわれている。我々が山登りをした時に清々しい気分になるのも日本の山岳密教が比叡山や高野山に建てられたのも何らかの関係があるはずだ。機内ではインターネットが繋がらないので独自の斬新なアイデアが浮かんでくるから陳腐なアイデアではなく真に付加価値を生み出すユニークなアイデアが生まれやすい気がしている。


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