BBC News

2016年3月2日

欧州連合(EU)は、移民への人道支援策として今後3年間で700億ユーロ(約8兆6600億円)を拠出する計画を2日に発表する。

EUの執行機関である欧州委員会がまとめた計画では、これまでのような加盟国への資金援助ではなく、EUの人道支援機関が初めて国連などと直接協力して支援活動を行う。

今年は300億ユーロを拠出する。これまでのEU域外の危機対応と異なり、域内が対象となる。

しかし、BBCのクリス・モリス欧州特派員は、支援策が早期に実施されるとしても、同時に新たに欧州に到着する移民の流れも抑制しなくてはならないと指摘。そのためには非加盟国のトルコとの協力強化が必要だと語った。

ギリシャはこれに先立ち、国内の難民10万人を支援するため5億ユーロの援助を欧州委員会に求めている。同国では約2万4000人が住宅を必要としており、8000人以上がギリシャ北部のマケドニア国境付近で厳しさを増す状態に置かれている。

移民たちの抗議デモが起きたイドメニの検問所では、国境が閉鎖された。移民たちは欧州のさらに北部を目指しており、多くはドイツへの移住を希望している。

国境閉鎖にも関わらず、さらに数千人の移民や難民がイドメニを目指している。移民キャンプは収容能力を超えており、多くはバスの中や、アテネから続く道沿いの給油所で足止めされている。一部の移民はキャンプで一週間以上足止めされた状態だという。

赤十字国際委員会(ICRC)のキャロライン・ハガ氏によると、ギリシャ軍がイドメニ近くで新たに3つのキャンプを設営したものの、1カ所に2000人が収容されているキャンプはすでに満員状態となっている。

1日には国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が、欧州は「大方自らが招いた人道危機に陥ろうとしている」と警告した。

UNHCRのエイドリアン・エドワーズ報道官は、人々が押し寄せているギリシャ国境では、食料や水、シェルターが不足しており、衛生状態が悪化していると述べた。

マケドニアは先週、アフガニスタン移民の入国を拒否し始め、シリアとイラクからの移民についても書類審査を強化。その結果、入国者の数はわずかになった。

その後、先月29日にはキャンプと国境が接する門を完全に閉鎖。マケドニアの北に位置するセルビアが国境を閉鎖したことが理由だと説明した。

不満を募らせた移民たちは治安部隊と衝突。一部の移民が国境フェンスを倒そうとしたため、治安部隊は催涙ガスやゴム弾で応酬した。

欧州連合のドナルド・トゥスク大統領は2日にクロアチアとマケドニアを訪問し、その後ギリシャとトルコを訪れる予定。来週7日にはトルコと移民問題を協議するEU臨時首脳会議が開かれる予定だ。

(英語記事 Migrant crisis: EU to unveil emergency aid plan)

提供元:http://www.bbc.com/japanese/35704211

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