タニタ社長が明かす痩せるランチの秘密


中西 享 (なかにし・とおる)  経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。1972年共同通信社に入社、経済分野を取材し編集委員などを経て2010年に退職し、現在は経済ジャーナリスト。

WEDGE REPORT

ビジネスの現場で日々発生しているファクトを、時間軸の長い視点で深く掘り下げて、日本の本質に迫る「WEDGE REPORT」。「現象の羅列」や「安易なランキング」ではなく、個別現象の根底にある流れとは何か、問題の根本はどこにあるのかを読み解きます。

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健康総合企業のタニタが、500キロカロリー前後で塩分3グラム以下の定食を提供する「タニタ食堂」の全国展開に続いて、今年の2月から新たに宅食配ビジネスに参入、「無理な食事制限をしなくても、一日の食習慣を整えるだけで体重を無理なく減らせる」(谷田千里社長)をモットーにダイエットビジネスに旋風を起こしている。

丸の内タニタ食堂

 ダイエットというと「あれは駄目、これは食べられない」など禁止項目が多く、結局は長続きさせることができず、やめるとリバウンドして元のもくあみに終わってしまうことが多かった。それを健康総合企業としてのノウハウを生かした方法で、おいしく続けられる独自メニューを開発、健康志向ブームを追い風に事業拡大を目指している。

おもしろければ何でもやるタイプ

谷田千里(たにだ・せんり) 1972年大阪府吹田市生まれ。93年調理師専門学校を経て97年佐賀大学理工学部卒。2001年タニタ入社。05年タニタアメリカ取締役。08年から社長。43歳。

 食の分野に出るきっかけとなったのは、本社のある東京都板橋区で1990年から始めた会員制の減量指導施設の「ベストウェイトセンター」だった。このセンターを運営する中で、医師と相談するうちに体重を減らすにはカロリーを抑えたバランスの良い食事と適切な運動をすることで、無理せずにダイエットができるのではと考えるようになった。99年以降自社の社員食堂でこのメニューを試し、社員の意見も加え、歴代の栄養士がレシピの改良を重ねた。2010年に大和書房から出版したレシピ本『体脂肪計タニタの社員食堂』はシリーズ累計発行部数が532万部となるベストセラーとなり、「タニタ食堂」が全国的に注目されるようになった。

 カロリーを計算するためには調味料、食材の量をはからなければならないため、本業である計測機器の販売にもつながる一石二鳥の効果も期待した。「おもしろければ何でもやるタイプ」という谷田社長は、これだけ評判になったタニタメニューなら実際に食事を提供してみようと決断、12年1月に「丸の内タニタ食堂」をオープンした。

 タニタ本社の社員食堂、タニタ食堂の提供メニューは一汁三菜で500キロカロリー前後、塩分3グラム以下の定食スタイルで、ごはんは100グラムとなっている。カロリーが大幅に増える脂分については特に気を使っており、オリーブオイルやドレッシングなど見える油はきちんとはかって最小限を使用するように心掛ける。一方で、ひき肉に入っている脂、肉に含まれる脂など見えない部分の脂は、オーブントースターなどを使って余分な脂を落とすように工夫している。

 みそ汁やすまし汁はかつお節と昆布でだしをとり、だしのうまみを活用することにより、塩分が低くてもおいしさを損なわないように食べられる。酸味・辛味・甘み・うまみ・香りやコクを付けるため、果物、香味野菜やスパイスも活用する。野菜は大きくカットし、ゆで時間もきちんと管理し、かみごたえを残し、そしゃくできるようにしている。

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著者

中西 享(なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。1972年共同通信社に入社、経済分野を取材し編集委員などを経て2010年に退職し、現在は経済ジャーナリスト。

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