2024年4月20日(土)

Wedge REPORT

2016年3月14日

「方程式」で痩せる

 谷田社長は「『丸の内タニタ食堂は』最初は流行っても1年経てば閑古鳥が鳴くのではと思っていたが、想定以上に盛況で、1日300食前後販売している。丸の内近辺から来る人と、遠くから来る観光客と二つのパターンがあるが、メーン外食ターゲットはリピーターだ。

 外食でランチを食べると(通常)800キロカロリー以上になるが、タニタ食堂では500キロカロリー前後に抑えられ、1回の食事で約300キロカロリー抑えられる。1カ月に20回食べてもらえば合計で6000キロカロリーセーブできる計算になる。脂肪1キロ燃焼するためには約7200キロカロリーの消費が必要なので、タニタで食べて1200キロカロリー相当の運動(1日10~15分程度のウォーキング)をすれば脂肪が燃焼し、(1カ月で)体重が1キロ落ちるのが『タニタ食堂の方程式』だ」と話す。

 これを実感した利用者がファンになってくれているという。同社長は「ビジネスパーソンには朝食を摂らない人がいる。夕食は外食などが多く変えられない。結局、リプレースするとしたらランチが一番で、そのあたりがマッチしたのが良かったのかも」と手応えを感じている。

 こうしたタニタ食堂をフランチャイズ、業務委託方式などを含めて現在22店舗で展開しているが、3年以内に47都道府県で1カ所ずつ展開したい考えだ。さらに社員食堂で通常メニューのほかにタニタ食堂メニューを出している社員食堂が全国に経済産業省、ファンケル(横浜市)、ジャパネットたかた(東京都、佐世保市)、山田養蜂場(岡山県)など6カ所ある。

 14年6月に東京・霞が関にオープンした経産省の食堂は「KENKO食堂」という名称で、カロリー制限が無理なくできることから評判が良いようだ。さらに食事に出る時間のない多忙な職員のために職場を回って弁当を売るサービスも始めており、職員からは重宝がられている。経産省は霞が関の官庁の中でも残業が多いことが有名で「通常残業省」などと呼ばれていたが、最近は職員の健康管理上から残業も減っているようで、同省の職員の健康を管理している厚生企画室は「カロリーなどに配慮した食事はこうした健康志向の流れに沿っている」と歓迎している。


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