WEDGE REPORT

2016年3月16日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

古いコースター活用でコスト削減も

 しかもVRコースターはテーマパークにとってコスト節約の要にもなりうる。現在新しいコースターをデザイン、建設するのにかかるコストは2500万ドルと言われる。しかしVRコースターならばソフトウェアを書き換えるだけで、全く新しいタイプのアドベンチャーを創り出すことができるのだ。

 実際、ロサンゼルスなど6つのテーマパークで「ニュー・レボリューション」に使われるコースターは1976年に建造された「レボリューション」。当時は世界初のループコースターとして話題になったが、今や4Dライド(座席が固定されず、座席そのものが回転するもの)などが登場する中、古臭くなった感は否めない。VRコースターはこうした古いタイプのコースターを「リサイクル」する、という意味でも非常に合理的なアイデアだ。

 シックス・フラッグスは世界に14のテーマパークを展開する大手だけに話題になっているが、今年はその他のテーマパークでもVRライドが一気にデビューする。

人気アトラクションに変身遂げる既存施設の数々

 米のシーダー・フェアは今年の夏少なくとも2つのVRコースターをテスト導入し、その結果により全国展開の予定だ。カナダではワンダーランド・アミューズメントが従来の「サンダー・ラン」というコースターに、追加料金でVRヘッドセットを提供する予定。

 4月には英国のアルトン・タワーズが「ギャラクティカ・バーチャル・リアリティ・エクスペリエンス」を導入、ロケットで宇宙に飛び出すイメージを楽しめる。日本ではユニバーサル・スタジオ・ジャパンがきゃりーぱみゅぱみゅをホストにしたインドアコースターでのVRライドが話題だ。さらにドイツでもマック・ライドが今年中にVRライドを追加する、としている。

 コースターだけではない。英国のトルプ・パークではチンチン電車を「VRお化け屋敷列車」にする、という試みがある。5月6日にデビュー予定で、「ゴースト・トレイン」と名付けられた「家族全員で楽しめる」VRのホラーだ。

 このようにVRで既存の施設を人気アトラクションに変身させる、というのが今後のテーマパークの主流になるかもしれない。どれだけエキサイティングなソフトを提供できるか、という競争は今後激しさを増すだろう。

  
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