ドローン・ジャーナリズム

2016年3月11日

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渡辺秋男 (わたなべ・あきお)

クレセントエルデザイン代表

1976年、東京都生まれ。(有)クレセントエルデザイン代表。かつてヘリコプターのエンジニアだった父を持つ。日本機械学会の100周年にちなんだ『100ジュールロボットコンテスト』において、ヘリコプターをモチーフにした作品を出品し創造賞を受賞。現在はシステム開発やウェブ制作の会社を経営し、ドローンによる空撮サービスも行う。空撮映像はフランス国営テレビやNHKをはじめ世界から評価を得ている。
 

 今シーズンは冬が始まるのが非常に遅かった。世界規模のエルニーニョ現象のため、積雪量は地域によっては例年の数分の一しかないところもあるようだ。スキー場をはじめ、雪をテーマにした冬のイベントの運営者はどこも頭を抱えている。春一番も先月吹いたので、どうやらこのまま冬は終わってしまうらしい。その冬山の状況を記録にとどめておくための一つの場所として、山形蔵王を空撮した。山形蔵王といえば樹氷であるが、樹氷の成長が例年に比べて鈍く、悪天候も続いていたためなかなか行くことができなかった。本来であればもっと早く行きたかったが2月上旬にやっと環境が整い、出向くことができた。

Ice Monsters / 空撮 樹氷 [4K]

 

 一般的な樹氷は、木々の表面が氷や雪に覆われただけで、シルエットは木の形状をとどめている。このレベルの樹氷なら寒い地域であればよく見られるものかもしれない。しかし、この山形蔵王の樹氷は着氷(着雪)している水分量が一般的なレベルを超越している。日本人にとって樹氷といえばこのモコモコとした姿を思い浮かべるが、世界的に見ると珍しい。この山形蔵王の樹氷を見るために国内外からたくさんの観光客が訪れるが、主に外国人観光客はこれらを通常の樹氷と区別して「Ice Monster(アイスモンスター)」という呼称で表現する。このようなアイスモンスター級の樹氷が見られるのは世界でも日本だけ。この山形蔵王と、青森県の八甲田山が有名だ。

 水は通常零度で凍るものだが、静かにマイナス10〜20℃まで冷却させると液体の状態を保つ。この過冷却状態にある水分が空気中を漂い、樹木にぶつかったとき衝撃で一気に固体化する。それが樹氷である。

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