田部康喜のTV読本

2016年3月12日

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田部康喜 (たべ・こうき)

東日本国際大学客員教授

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

 BSプレミアム「クロスロード」(2月25日スタート)は、舘ひろしの刑事と神田正輝の新聞記者が、過去と現在で人生を織りなす本格的なドラマである。刑事モノとしては今年の最高傑作になる予感がする。

全ての始まりは15年前の強盗殺人事件

 青梅中央署の警務課に勤務する、尾関辰郎(舘ひろし)は警視庁時代の25年前の事件で、容疑者が誤認逮捕であることを新聞記者の板垣公平(神田正輝)に漏らしたことから、捜査の第1線から外されて、異動の度に東京の西へと飛ばされたうえに、いまでは警察署の総務的な仕事をしている。定年まであと2年を残すのみとなった。

 管内の廃棄処分場から、白骨化した遺体が発見される。それは、15年前に発生した宝石商に対する強盗殺人事件の現場に残されたDNAと一致する。この「多岐川事件」は未解決であった。

 地元の週刊紙の記者である、板垣(神田)はふたつの事件のつながりを追っていく。青梅中央署に取材に訪れた時に、25年ぶりに尾関(舘)と再開する。無言で無視する尾関。帰庁後に尾関が少年たちに剣道を教えたのを見届けて、後を追った板垣は、「なにか言いたいことがあるんじゃあないか」と問い詰める。

 板垣は元大手新聞社の社会部の記者で、本庁時代に尾関から誤認逮捕の情報を得て、特ダネを書いたのだった。

 尾関はいう。

 「もう忘れた。ごみ箱に捨てた」と。

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