BBC News

2016年3月10日

ブラジル・サンパウロの検察当局は9日、ルラ前大統領(70)を資金洗浄(マネー・ロンダリング)の疑いで訴追する方針を表明した。国営石油会社ペトロブラスに関する大がかりな汚職事件の捜査の一環だが、ルラ氏は不正行為を否定し、政治的な思惑による捜査だと批判している。

検察当局は、ルラ氏と妻マリサ・レティシアさんが、サンパウロ州グアルジャの高級リゾートに海に面したマンションを所有しているとして、その入手経緯について事情聴取する方針という。

検察は4日に前大統領を拘束し、高級マンションについて事情聴取した。ルラ氏は一切の不正行為を否定し、マンションは自分のものではないと説明。また担当検察官の捜査が恣意的だと批判した。

サンパウロ検察はこれまでに、資金洗浄の疑いで16人を起訴しており、その中にはルラ氏の息子も含まれているという。裁判所はまだ正式に検察の起訴状を受理していない。

ルラ氏の担当弁護士クリスティアーノ・ザニン・マルティンス氏は、前大統領に対する訴えの内容をまだ正式に知らされていないと述べ、「この一連の手続きがいかに(ルラ氏に対して)偏向しているか、このことからも確認できる」と当局を批判した。

検察は、高級マンションを所有する建設大手OASが、ルラ氏のために大がかりな修繕を行ったとみて捜査している。OASは、大規模契約の受注あっせんのため、政治家やペトロブラス幹部に贈賄した疑い。

検察による前大統領の身柄拘束については、支援者だけでなく、複数の判事や政治家も過剰対応だと批判している。

支援者たちは、前大統領が2018年大統領選に出馬すると噂されるなかで、その評判を貶めようとする政治的意図のある捜査だと批判する。

ルラ氏は2003年から2011年まで大統領を務め、現在のルセフ大統領は左派与党・労働党において、政治的な直弟子とも言える存在。ブラジルは現在、深刻な経済危機のさなかにあり、ルセフ政権も記録的な低支持率にあえいでいる。

ルセフ大統領は5日、ルラ氏支援を表明する数百人規模の集会に参加した。

工場作業員と労組リーダーから政界入りし大統領にまでなったルラ氏は、ブラジル国内で今でも高い人気を得ている。

(英語記事 Charges filed against Brazil's Lula)

提供元:http://www.bbc.com/japanese/35770497

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