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2016年3月10日

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ミャンマーの与党・国民民主連盟(NLD)は国会で10日、新大統領候補として2人を届け出た。2人のうちアウン・サン・スー・チー党首(70)の側近のティン・チョー氏(69)が、ほぼ確実に大統領として選ばれる見通しだ。

下院のNLDはスー・チー氏に近いティン・チョー氏を擁立。上院のNLDは、少数民族チンのヘンリー・バンティーユ上院議員を候補として推薦した。

NLDによる大統領候補擁立を皮切りに、ミャンマーは数日中に新大統領を選出する。憲法の規定に基づき、大統領は国会の上下院それぞれの民選議員が候補を1人ずつと、両院の4分の1議席を占める軍人議員団が候補を1人選ぶ。全議員の投票で最多票を得た候補が、大統領になる。敗れた候補2人は副大統領となる。

NLDは上下両院で過半数を得ているため、特派員たちはティン・チョー氏の当選はほぼ確実だとみている。

ミャンマーの現行憲法では、外国籍の家族がいないことが大統領就任の要件のため、英国籍の息子がいるアウン・サン・スー・チー氏は大統領になれない。憲法の条項の一時停止について協議が行われていたが、NLDがティン・チョー氏らを擁立したことで「アウン・サン・スー・チー大統領」は見送られた形になった。

一方でスー・チー氏は昨年11月の選挙当時から、自分は大統領より「上の」立場から国を導くと言明していた。

ティン・チョー氏とは?

・NLD幹部でスー・チー氏の側近。英オックスフォード大学出身。

・穏やかな物腰で、正直で忠誠心に厚いと評価されているという。これまであえて目立とうとしてこなかった。

・父親は作家で詩人のミン・トゥ・ウン元NLD議員。

・妻ス・ス・ルウィンはNLD創設者のひとりの娘で、現NLD議員。

・スー・チーさんの亡母顕彰のために設置された慈善団体の幹部。

・スー・チーさんのそばにいることが多く、運転手を時折務めることもある。

<解説>「合意なし」 ジョナ・フィッシャー記者

アウン・サン・スー・チー氏は最後までがんばったのだが、結局は合意は実現できなかった。選挙で圧勝したにもかかわらず、大統領就任は自分の宿命なのだと、軍部を説得できなかったのだ。

息子たちがミャンマーではなく英国旅券を所持するため、憲法第59条がスー・チー氏を阻んだ。そのため、別の人を選ぶことになった。

選んだのは、同じオックスフォード出身で旧知の間柄のティン・チョー氏だった。NLDに忠誠を尽くしてきたティン・チョー氏は、2010年にスー・チー氏が自宅軟禁から解放された時にその隣にいた。

人の命令を聞くことができるというのが、ティン・チョー氏の最も大事な長所かもしれない。たとえ「大統領」という肩書はなくても、物事を決めるのは自分だと、アウン・サン・スー・チー氏ははっきり表明してきたからだ。

(英語記事 Myanmar begins presidential selection as Aung San Suu Kyi ruled out)

提供元:http://www.bbc.com/japanese/35770502

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