原油市場が二重構造化した理由 
80年代以前先物市場はなかった!


石 雄太郎 (せき・ゆうたろう)  石油アナリスト

石油・エネルギー専門家 ビジネスの実務から政策研究まで幅広い活動を行っている。

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なぜ今、国際原油相場が30ドルになっているのか? 50ドルでも100ドルでもなく、30ドルという“絶対値”にあるのか? この問いに答えるかたちで、国際原油価格が形成されるメカニズムの実際、をお話してゆきます。

2007年、サウジアラビアで行われたOPEC首脳会談の模様(iStock)

原油価格を形成してゆく情報たち

 まず、このメカニズムについて簡潔におさらいする(第一回投稿を参照)。価格レベルの形成に影響を与える情報は、4つの性質の異なる情報群に分けられます。第1群は、井戸元での生産コスト情報など、生産側および需要側の経済合理性に根を張った情報。第2群は、石油需給見通し情報で、現物取引は主にこの群の情報を参照している。第3群は、石油先物市場で、今現在買い圧力が優勢か、それとも売りが優勢か、を教える情報。さらに第4群は、石油の世界に影響力あるソースから発信される将来価格見通し(ナビ情報)。

 4つの情報群のうち、第2群と第3群の情報が日々の取引で活用される。取引当事者たちの市場活動が「価格」を発見し、市場関係者間で相場形成されてゆく。他方で、第1群(コスト情報)と第4群(ナビ情報)は、中長期的な相場レベルの形成に影響を与える役割である。

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