世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年3月21日

 米国のシンクタンクAEIのマイケル・オースリン日本研究部長が、2月15日付ウォールストリート・ジャーナル紙に、「韓国の主要紙が米国の防衛保証への信頼が弱まる中、核兵器取得を提案している」との論説を寄稿しています。オースリンの論旨、次の通り。

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核兵器取得議論を訴える朝鮮日報にみる米国不信

 北朝鮮のロケット発射は再度世界をあわてさせ、外交官は新たな制裁を約束している。しかし、韓国の有力な意見は国際社会に我慢できなくなっている。

 朝鮮日報は「韓国は核兵器取得を議論しなければならない」との社説を掲載した。米国は注目すべきである。これは韓国の米国への信頼の減少を反映している。

 社説は、ケリー国務長官が王毅外相と北の核実験にどう対応するかについて合意できなかったことでケリーを叱責し、「米国は北を抑える責任を中国に回し、中国は何もしていない。韓国は自らの核兵器開発についての議論を必要としている」と論じている。

 韓国での核抑止力の問題は長年くすぶってきた。2010年、韓国の国防大臣は米国が戦術核兵器を韓国に再導入すべしと述べた。これはブッシュ(父)大統領以来の政策(1991年の核兵器撤去)の転換になるが、北の核・ミサイル実験の都度、提起される。

 朝鮮日報が今示唆していることはもっと心配である。アジアでの米国の戦略の中心は、同盟国を、核を含むあらゆる手段で守るということにある。この拡大抑止により、日本、韓国が独自核を持つことを阻止してきた。朝鮮日報が現状維持の変更を示唆しているのは米国への不信を示す。社説は、北との交渉が唯一の責任あるアプローチとする米国の政策当局者を批判、韓国は外交の時は過ぎたのかもしれない、と示唆している。

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