暴力沙汰でますます過熱!
“トランプ教”はもう止められない


土方細秩子 (ひじかた・さちこ)  ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

WEDGE REPORT

時間軸の長い視点で深く掘り下げて、世界の本質に迫る「WEDGE REPORT」。「現象の羅列」や「安易なランキング」ではなく、個別現象の根底にある流れとは何か、問題の根本はどこにあるのかを読み解きます。

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「外人恐怖症のファシスト」とドナルド・トランプ氏(69)を名付けたのは、ハリウッド俳優ジョージ・クルーニー。米国内ではトランプ氏をヒトラーに例える批判が噴出しており、共和党首脳部も「ストップ・ザ・トランプ」と銘打った作戦を展開中だ。

トランプ候補の熱狂的支持者たち(iStock)

 しかし、トランプ氏の勢いを止めることはもはや不可能だ。3月15日、米大統領予備選は「第二のスーパーチューズデー」を迎えた。そこでなんと、対立候補のマルコ・ルビオ氏の地元、フロリダ州でトランプ氏がルビオ氏を破った。ここでルビオ氏は戦線離脱。ついに一時期14人もいた共和党候補は、トランプ、テッド・クルーズ、オハイオ州知事ジョン・ケーシックの3人に絞り込まれた。ケーシック氏はかろうじて地元オハイオで勝利、しかしこれまでトランプ氏を2位の立場で追ってきたクルーズ氏は全敗の結果だった。

 ルビオ氏は選挙前の演説で「フロリダを制する者が共和党の指名を勝ち取る」と、地元での勝利を確信していた。しかし思わぬ敗退に、トランプ氏のツイッター「サンキュー、マルコ。その通りだ」が追い打ちをかけた。

ラテン系移民からも支持

 フロリダでの勝利は、トランプ氏にとって大きな意味を持つ。メキシコ移民に対する差別的発言などで、ラテン系から嫌われている、と思われていたトランプ氏。ところがラテン系移民の割合が多いフロリダでも支持を得た、つまりトランプ氏には周囲が考えていたよりも弱点が少ない。

 さらに重要なのは、トランプ氏がイリノイ州でも勝利を収めたことだ。3月11日、トランプ氏はシカゴのイリノイ州立大学で集会を開こうとしていた。そこへトランプ氏に抗議するデモ隊が押しかけ、支持者との間で暴力騒ぎとなり、集会は「危険すぎる」とキャンセルされた。

 この事件についてトランプ氏は「私の言論の自由が奪われた」などと発言。各界から「デモ隊にはトランプ氏に抗議する言論の自由はないのか」などの反発が起きている。さらにデモ隊を殴った支持者に対し「訴訟費用などは私が持とうと思う」とまで発言。暴力を煽っているのはトランプ氏自身、との批判がある。

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著者

土方細秩子(ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

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