BBC News

2016年3月22日

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昨年12月に米カリフォルニア州で起きた乱射事件を捜査する連邦捜査局(FBI)は、容疑者のiPhoneのロック解除方法を独自に見つけたかもしれない。予定されていた審理が検察側の要請で延期され、法廷に提出された書類にはアップル社以外の第三者が解除法をFBIに提供したと書かれている。

アップル社も、22日に予定されていた審理が司法省の要請で延期されたと認めた。

FBIはこれまで、カリフォルニア州サンバーナディーノで14人が犠牲になった乱射事件のリズワン・ファルーク容疑者(警察との銃撃戦で死亡)のiPhoneを押収し、ロック解除するための協力をアップル社に求めているが、アップル社はこれを拒否。「危険な前例になると」して、司法省やニューヨークの連邦地裁の協力命令にも応じていない。

検察によると、アップル社の協力なしにiPhoneのロックを解除する方法を「第三者」が提供した。裁判所へ提出書類には、「ファルークのiPhoneデータを破損しない方法として有効か判断するため、テストが必要だ。もし有効ならば、アップル社の協力は不要となる」と書かれている。

司法省のニューマン報道官は、この方法でうまくいくか政府として「慎重に楽観視」しているとコメントした。

政府は4月5日、進捗について裁判所に連絡すると説明している。

アップル社の弁護団は報道陣に、FBIがどのような方法を検討しているのか想像もつかないと述べた。iPhoneの脆弱性が明らかになるのなら、アップルとして政府に情報共有を求めたいとも付け加えた。

FBIは、容疑者夫妻が過激派勢力「イスラム国」(IS)の影響下で事件を起こしたとみており、暗号ロックのかかったiPhoneに重要な証拠が収められているかもしれないと主張する。

iPhone内の情報を入手するには正しい暗証番号の入力が必要だが、誤入力を一定回数以上繰り返すと、全データが消去されてしまう。このためFBIはアップルに、この機能を回避する新しい基本システム(OS)作成を要請していた。

ニューヨークの連邦地裁は2月、アップルにソフトウェア作成を命令。しかしアップルは、そのようなセキュリティー上問題のあるOSを作れば、何百万人ものiPhone利用者のセキュリティーに悪影響が予想され、前例となってしまうと反論している。

アップルの対応には、グーグル、マイクロソフト、フェイスブックなど他の情報通信大手も賛同している。

この問題が起きてからというもの、情報セキュリティーの専門家たちは「もちろんFBIは独自でできるはずじゃないか」と言い続けてきた。もしかしたら、できるようになったのかもしれない。

「第三者」というのは、セキュリティー会社のことなのだろうが確かではない。その第三者がFBIと接触し、iPhoneのロックを解除できると持ちかけたという。

もしできるなら、進行中の裁判は無意味だ。FBIは欲しいものを手に入れられる。もしできないなら、また裁判の再開だ。

アップルの法務チームは、裁判で勝ったとは思っていないと報道陣に話した。これは引き続き、アップルにとって大きな問題だ。もしFBIが方法を見つけたとして、常にうまくいくという保証はない。どのソフトウエア会社もそのはずだが、アップルもしゃかりきになって欠陥を修正しようとするはずだ。もしFBIにできるのなら、どこのハッカーでも同じ情報を得ればできてしまうのだから。

もしFBIが入手した方法がうまくいくなら、次はどうなる? iOSをバージョンアップするたびに、アップルは法廷に呼び戻されるかもしれないのだ。

アップルを筆頭に情報通信技術業界は、連邦議会で議論すべき問題だと呼びかけている。訴訟はもしかすると間もなく立ち消えるのかもしれないが、議論は始まったばかりだ。

(英語記事 FBI 'may be able to unlock San Bernardino iPhone')

提供元:http://www.bbc.com/japanese/35868498

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