ルポ・少年院の子どもたち

2016年4月2日

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市原学園にて指導中の土佐忠麿氏

 当然のことながら活動内容の検証は必要だが、再犯を抑止するためには、今後ますます少年院と地域社会が連携した取り組みが必要になってくると考えられる。様々な地域で、様々な取り組みが行われ、少年による再犯という社会にとっての不幸が減少することを願わずにはいられない。

平成12年から続く「市原学園」伝統のタグラグビー

 『ルポ・少年院の子どもたち』では、「スポーツ」をキーワードに少年院と矯正教育の取材を続けてきた。今回は「ラグビー」を活用した2つの少年院を取り上げたい。

 2016年2月19日(金)千葉県の少年院「市原学園」で行われているタグラグビーを取材した。この市原学園は、15年に施行(14年改正)された少年院法で、早期改善の可能性が高いと判断され『短期社会適応課程』の対象となる少年を収容する標準的な期間が6カ月以内の少年院である(市原学園の標準的な教育期間は20週間)。

 市原学園では00年から体育指導にタグラグビーを取り入れてきた。バレーボール、サッカー、水泳など、季節ごとに異なる競技を取り入れながら、社会復帰に向けて少年たちの心身を鍛錬している。しかし、担当する法務教官の異動に伴い、技術的な指導ができる教官が少なくなってしまったことから、少年向けの指導、および教官への指導を含めて今回ラグビーの専門家を招聘した。

 講師はYOKOHAMA TKMのチーフアドバイザー花岡伸明氏と明治大学ラグビー部コーチ(4月より朝日大学ラグビー部コーチ)の土佐忠麿氏の2名である。

 花岡は11~12年に茨城県の「水府学院」で指導に当たった経験を踏まえ、「対象が少年院の子たちだからといって、我々外部の講師が、ことさら構えるような姿勢を見せたり、特別視するようなことがあってはいけないし、何か特別な話を準備したりする必要はないと思っている。くだけ過ぎず、矯正施設という節度を守りながら、最大限タグラグビーが楽しめるような時間にしたいと考えている。ただし、タグラグビーとは言え、ラグビーを教える以上は本気でいくよ」と指導スタンスを筆者に語り、土佐とは事前にアイデアを出し合って、様々なケースに対応できるよう練習メニューを詰めていった。

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