赤坂英一の野球丸

2016年3月31日

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赤坂英一 (あかさか・えいいち)

スポーツライター

1963年、広島県生まれ。86年に法政大学文学部卒業後、日刊現代に入社。88年より、スポーツ編集部でプロ野球取材を担当。同社勤務のかたわら週刊誌、月刊誌で、スポーツを中心に人物ノンフィクションを多数執筆してきた。最新刊『すごい!広島カープ 蘇る赤ヘル』(PHP文庫、『広島カープ論』増補改訂版)が重版出来で2万部突破。ノンフィクション『失われた甲子園記憶をなくしたエースと1989年の球児たち』(講談社)が第15回新潮ドキュメント賞にノミネートされた。ほかに『プロ野球「第二の人生」 輝きは一瞬、栄光の時間は瞬く間に過ぎ去っていった』(講談社)『最後のクジラ――大洋ホエールズ・田代富雄の野球人生』(講談社)『プロ野球コンバート論』(PHP研究所)など。

 先週末から開幕したプロ野球、今年は例年以上に新人たちの活躍が目立つ。金本知憲新監督にスタメン1番に抜擢された阪神のドラフト1位・高山俊(明大)をはじめヤクルト・原樹理(東洋大)、DeNA・今永昇太(駒沢大)、巨人・桜井俊貴(立命館大)ら同じドライチの即戦力投手も開幕から先発ローテーション入り。広島のドラフト6位・仲尾次オスカルも負けじと、27日のDeNA戦で新人投手一番乗りの初勝利を挙げて見せた。

小姑指導者も何のその

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 毎年新人たちを見ていて感じることだが、彼らは活躍すればするほど周りに〝小姑〟が増える。頼まれてもいないのに、ああしろ、こうしろ、いいことを教えてやろうと監督やコーチはもちろん、OBの評論家が群がってくる。その最たる例が楽天のドラフト1位・オコエ瑠偉(関東一高)だ。試合前の練習中に池山隆寛、礒部公一両打撃コーチ、米村理外野守備走塁コーチが入れ替わり立ち替わり指導。人気者だから記者や評論家にもしょっちゅう声をかけられて、さぞや頭の中が混乱しているのではないかと心配になってくる。

 ところが、オコエ本人はクールそのもの。「コーチにはいろいろなことを言われてますが、自分にプラスになるものだけを生かしていこうと思ってます。教えられたことを全部覚えきれるものではないし、池山さんからも何でも言われた通りにする必要はないと言われてますから」と話している。打撃練習中、脇を締めるのに使っているゴムチューブなども、コーチに押しつけられたわけではなく、自分の考えで取り入れたものだそうだ。

 〝小姑〟にあれこれ言われる以前に、自ら積極的にアドバイスを求めているルーキーもいる。ヤクルトの原樹理はキャンプ中、学生時代から興味を抱いていた先輩・小川泰弘の下へ〝弟子入り〟した。「軸足にしっかりと体重を乗せること。腕を振るときに力み過ぎないことが大事だ」と教えられた。成瀬喜久には「コントロールを意識するあまり、コーナーの四隅を突こうとしたらかえって制球を乱す」との助言をもらったという。さらに、新外国人のデイビーズにも「自分の持ち球のシュートを生かしたいからスライダーの投げ方を教えてください」と頼み込んでいた。

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