人事は企業を変えられる

2016年4月18日

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寺川尚人 (てらかわ・なおと)

Indigo Blue社長、テラマネジメントデザイン社長。1982年ソニー入社。人事VP、人事部門長など、人事業務に従事しながら、多種多様な新規事業の立ち上げと数十の業態の取締役等の経営経験を持つ。

 4月1日に定期異動のある会社は多いが、有能な人材ほど各部門が手放したがらず、本人の成長のチャンスを潰しているケースを多く見る。その根本的な原因は、各部門の上司が、人材を自らの所有物のように捉えてしまっていることだ。

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 こういう上司には、人事から「有能な人材は会社の財産で、それをどのように生かすかは会社の戦略。彼らにどのような投資をし、何を経験してもらうかも、大事な人事戦略の1つ」と説得する必要がある。会社の成長エンジンになってくれるような人材を育てるには、10年、20年とかかる。

 筆者はソニーの人事担当者だった1994年頃、同社の急速なグローバル展開に対応するために、縦割りの各カンパニーを越えた人事ローテーションを行うことにした。当時のソニーは、人事異動に各カンパニーの意思が強く反映されており、人事主導で全社横断的に人事ローテーションを行ったことはほとんど無かった。

 しかし、海外拠点の立ち上げの際に欠かせない日本人社員の絶対数が足りておらず、各カンパニーの経理や財務、事業企画を担当する人材が、半導体、テレビなど複数の事業領域をカバーできるようになる必要があった。

 そこで各カンパニーの経営方針を具現化しているようなエース級の課長たちのローテーションを行おうとした。案の定、各事業責任者は大反対だった。エース本人たちは異動を希望していたが、引き抜かれるとビジネスが止まるような危機感が各カンパニーにはあり、「もし失敗したら責任を取れるのか」と散々罵られた。

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