BBC News

2016年3月30日

ブラジルの連立政権で最大勢力のブラジル民主運動党(PMDB)が連立離脱を決めた。これにより、議会で進むルセフ大統領に対する弾劾手続きが加速する可能性がある。

PMDBは29日に開いた幹部会で、ルセフ政権の閣僚6人全員が辞任すべきだとの考えで一致。辞任しない場合は倫理規定違反に問われるべきとした。28日には、PMDBから入閣していたエンリケ・エドゥアルド・アウベス観光相が辞任している。

ルセフ大統領に対しては、政府の赤字隠しに予算で不正が行われたとして、野党議員らが弾劾手続きを進めている。

PMDBが連立離脱を決めたことを受けて、ルセフ氏は31日からワシントンで開催される予定の核安全保障サミットへの出席を取りやめた。

PMDBのロメロ・ジュカ上院議員はツイッターで、「ジルマ(ルセフ大統領)の政権からの離脱という歴史的な会合で、決定は大きな拍手をもって迎えられた」と述べた。

サンパウロで取材するBBCのローラ・ビッカー記者によると、5月にもルセフ氏の大統領権限が一時停止される可能性がある。

その場合は、上院が弾劾裁判でルセフ氏から大統領職を剥奪すべきかを審議する間、PMDBの党首であるミシェル・テメル副大統領が暫定大統領となる。

幹部会での採決を前に、PMDBのオズマール・テラ議員は「政権よさらば、になるだろう」と述べ、採決の結果はすでに予想がつくとしていた。

複数のアナリストは、かなりの数のPMDB所属議員たちがしばらく前から左翼政党の労働党と連立を組むことに抵抗を感じていたと指摘した。

ルセフ大統領に対する弾劾手続きや、労働党幹部らの汚職疑惑の拡大も、PMDB議員らの抵抗感を強める結果となった。

弾劾手続きを止めるためには、下院(定数513議席)の少なくとも3分の1の支持が必要。それだけに、PMDBに所属する69議員は大きな影響力をもつ。

もう一つの連立与党で中道左派の社会民主党は、弾劾採決での自由投票を決めている。

ルセフ大統領の政治的恩師でもあるルラ前大統領は28日、弾劾手続きの動きをクーデターになぞらえ批判したが、自身も汚職捜査の渦中で苦境に立たされている。

ブラジルの最高裁判所は、ルセフ大統領によるルラ氏の官房長官任命を差し止める命令を今月下しており、来週にも最終的な判断を示す見通し。

ブラジルの法律では、刑事事件で訴追された閣僚を審理できるのは最高裁判所のみ。ルラ氏の閣僚任命は、マネーロンダリング(資金洗浄)疑惑をめぐる捜査や下級審での訴追を回避することが狙いだと野党は批判している。

サンパウロやリオデジャネイロなどブラジルの各都市では、ルセフ大統領の退陣を求める大規模デモが相次いでいる。

一方で、政権を支持するデモも行われている。デモ参加者たちは、ルセフ大統領が、労働党を政権から追いやろうとする動きの犠牲者になっていると主張している。

(英語記事 Brazil's PMDB party quits ruling coalition)

提供元:http://www.bbc.com/japanese/35923103

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