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2016年4月4日

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ロシアのプーチン大統領周辺やアイスランドのグンロイグソン首相など、各国のエリート層が租税回避地を使って秘密裡に資金運用をする実態が、パナマの法律事務所の資料で明らかになった。

法律事務所「モサック・フォンセカ」の資料約1100万件を国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ)が南ドイツ新聞を通じて入手。資料には現職もしくは元国家元首72人に関連した情報が含まれている。

モサック・フォンセカは過去40年にわたって当局の戒告を受けておらず、刑事訴訟の対象になったこともないとしている。

ICIJ事務局を運営するジェラルド・ライル氏によると、入手資料はモサック・フォンセカの過去40年分の日常業務に関する情報だという。

ライル氏は、「リークされた内容は広範なため、オフショア取引に関与する人々にこれまでなかったような打撃を与えることになるだろう」と述べた。

資料には、エジプトのムバラク元大統領の家族や側近、シリアのアサド大統領やリビアで2011年まで独裁体制を敷いていたカダフィ大佐に関係する非公表のオフショア法人などが記されている。

さらに、10億ドル(約1100億円)規模のマネーロンダリング(資金洗浄)活動をロシアの銀行、バンク・ロシアが行っているとされる疑惑についても触れられている。これには、プーチン大統領に近い人物たちも関与しているという。

バンク・ロシアがどのように運営されているか分かったのは今回が初めて。同銀行は、ロシアによるクリミア併合を受けて実施された米国や欧州連合(EU)による経済制裁の対象となっている。

資金は複数のオフショア法人に送金されており、そのうち2法人は、プーチン氏の10代の頃からの友人でプーチン氏の娘マリアさんの名付け親でもあるチェロ奏者のセルゲイ・ラルドゥーギン氏が所有。資料には、同氏が不正の疑いがある取引で数億ドルの利益を上げたと記されている。

しかし、ラルドゥーギン氏所有の法人の文書によると、「本法人は主に、究極的な受益権者の身元と機密を守るために設立された」と明記している。

モサック・フォンセカの資料はさらに、アイスランドのグンロイグソン首相が、公的資金で救済された国内銀行の株式をどのように秘密裡に所有しているかを明らかにしている。

同首相はこれまでも、オフショア法人を通じて国内銀行に数百万ドル投資している事実を隠蔽しているとして非難されていた。

今回リークされた資料には、グンロイグソン首相と夫人が2007年にオフショア法人「ウィントゥリス」に投資したことが記されている。2009年に同首相が国会議員に選出された際にはこの事実を申告していなかった。その後、ウィントゥリスの持ち株50%を夫人に1ドルで売却している。

(英語記事 Panama Papers: Mossack Fonseca leak reveals elite's tax havens)

提供元:http://www.bbc.com/japanese/35957243

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