石油を読む

2016年4月7日

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 最初に結論を言いましょう(と、編集部から助言をされたのである)。

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 国際原油市場には現物市場と先物市場という、2種類の、互いに異なった市場が、同時に存立している。2つの市場は、役割が違う。

 先物市場は、刻々と国際原油価格の”絶対値”つまり「38ドル」を発見して、世界に、同時に公示する。

 他方で現物市場は、先物価格を参照しながら、売り手と買い手の相対取引で値付けをしている。現物市場では、原油生産/供給者と原油を引き取る精製事業者、それぞれの需給過不足を調整する。そして原油は1、2カ月後、実際に受け渡されるのだ。

 2つの市場は、値付けが違う。

 現物の値付けは、先物の“絶対値”に対して、1ドルのプレミアム上乗せ、とかして決めてゆく。割高に買う動機は、「どうしても原油が欲しい、見込み違いで足りなくなりそうだ……」。

華麗なる先物市場の世界

 他方、先物市場は石油会社同士の過不足なんか、どうでもよい。この市場のトレーダーたちは、日々、相場を張る材料を探し、思惑で売り買いをする。材料は何でもよいが、トレーダー仲間みんなが意見を持てるエキサイティングな材料でなければならない。

 3月31日現在、NYMEX原油先物市場は38ドル。1月の30ドル割れから上昇に転じている。なぜ、買われているのか。

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