世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年4月18日

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 米ワシントン・ポスト紙のイグネイシャスが、3月15日付の同紙に、「中東について、オバマの情勢を不安定化させる率直な発言」という論説を寄せ、最近のアトランティック誌のジェフリー・ゴールドバーグのインタビュー記事におけるオバマ発言を紹介するとともに、それを批判しています。イグネイシャスの論旨は、次の通りです。

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現職大統領の軽はずみな言動

 ゴールドバーグの記事は権威があるが、オバマ大統領は自分の考え方の説明は回想録で行うべきであろう。今の段階での率直さは情勢の安定化に資さない。友好国も敵対国も、大統領が本当に何を考えているのかを知りすぎることになる。我々はオバマがアラブを軽蔑し、外交専門家に懐疑心を持ち、米国の力の制約について「避けがたい」との見解を持っていると想像してきたが、この「オバマ・ドクトリン」の記事はそれを詳述している。

 今春、オバマはサウジを訪問するが、オバマが豪州首相にサウジは友好国かと聞かれ、冷笑的に「複雑である」と述べたこと、サウジの女性抑圧について、人口の半分を抑圧している国は近代世界で機能しえないと述べたことは助けになるだろうか。

 オバマの口調は自信満々であるが、同時に防御的である。

 シリア危機で30万の命を奪い、シリアを壊し、欧州を不安定化させたことについて、オバマは自分の政策の賢明さに疑念を持っているかというと、そんなことはない。オバマはシリアの大混乱から米国を遠ざけたことで良いことをした、歴史家は彼を賢明であったと評価するだろうと信じている。シリアについての正しい政策が何だったのかは難しい問題であるが、今の状況は大統領が誇るべきことなのか。

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