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2016年4月12日

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ブラジルのルセフ大統領を弾劾すべきか検討している連邦下院議会の特別委員会(定員65人)は11日、投票の結果38対27で弾劾手続きを進めるべきと勧告した。大統領は、財政赤字を隠すために政府会計の粉飾に関与したと、弾劾請求の対象になっている。下院本会議の投票は17日か18日に行われる。大統領弾劾をめぐりブラジル世論は割れており、首都ブラジリアでは警察が大規模デモに備えた。

勧告の議決に当たり特別委は弾劾賛成派と反対派に分かれてそれぞれスローガンを叫んだりプラカードを掲げたりして、騒然とした。

特別委の採択前の議論で、カルドーゾ司法長官は大統領を代弁し、弾劾手続きには「欠陥がある」と批判。「罪を犯してもいない、一銭も盗んでいない大統領を追いやるなど、ばかげている。罪も詐欺もない弾劾手続きなど、クーデターと一緒だ」と述べた。

これに対して野党のマクリス議員は、弾劾はブラジル社会にとって重要で変化をもたらすと反論した。

特別委の投票はあくまでも形式的な手続きだが、弾劾手続きが実際どれほど支持されているのかを本会議の投票前に計る通過点とされていた。下院本会議(定数513議席)で賛成342票が得られると、弾劾手続きは上院(定数81議席)へ移行する。

地元紙の最新調査によると、下院議員292人は弾劾に賛成、115人は反対、106人が検討中という。

審議が上院に移った後は、単純過半数が審議継続を支持すれば、ルセフ大統領は180日間職務停止となり、上院がその間、審議を続ける。この間、野党ブラジル民主運動党(PMDB)選出のテメル副大統領が暫定代行となる。

しかしブラジル・メディアは11日、テメル副大統領が暫定大統領としての職務を受け入れ国民に結束を呼びかける演説草稿の練習と思われる録音テープを報道。副大統領の事務所は、誤ってスタッフに送ったものと説明している。ブラジルで取材するBBCのウィラ・デイビース記者は、テメル副大統領自身も弾劾対象になる可能性がある現状では、時期尚早に思えると指摘した。

ルセフ大統領の弾劾が決まり、失職するには上院本会議で3分の2以上の賛成が必要。

ルセフ大統領の支持率はここ数カ月で急落している。景気悪化に加え、国営石油大手ペトロブラスをめぐる贈収賄スキャンダルに複数の政界重鎮や経済界リーダーが巻き込まれているからだ。

複数の世論調査によると、ブラジル市民の大多数は弾劾手続きを支持している。しかし大統領と与党・労働党の支持者たちは、議会による弾劾手続きは民主的に選ばれた政府に対するクーデターに等しいと批判する。

大統領を糾弾する議員の多くと異なり、大統領はペトロブラス汚職に関して正式に立件されたわけではないというのが、与党の言い分だ。ペトロブラス汚職に比べれば小さい、拡大する財政赤字を隠すための政府会計粉飾という、ペトロブラス汚職に比べれば小さい問題で、野党は大統領を追及していると与党は批判している。

(英語記事 Brazil impeachment: Vote deals new blow to Rousseff)

提供元:http://www.bbc.com/japanese/36021879

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