海野素央のアイ・ラブ・USA

2016年4月13日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授、心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08~10年、12~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年及び12年の米大統領選挙においてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。著書に「オバマ再選の内幕―オバマ陣営を支えた日本人が語る選挙戦略」(同友館)など多数。

 今回のテーマは、「トランプ候補の不公平」です。ルドルフ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長の支持表明を得た不動産王ドナルド・トランプ候補は、4月19日(以下、現地時間)に地元ニューヨーク州で行われる共和党予備選挙でテッド・クルーズ上院議員(共和党・テキサス州)に圧勝して、クルーズ陣営の勢いを削ぎたいところです。

公平を求めるトランプ候補(iStock)

 同月26日にも、ペンシルべニア州及びコネチカット州など北東部5州で共和党予備選挙が開催されます。トランプ候補が急きょカリフォルニア州での記者会見をキャンセルした背景には、南部テキサス州を地盤とする同上院議員が苦戦すると予想される北東部で、一気に突き放そうという意図が見えてきます。

 本稿では、ニューヨーク決戦を前に共和党予備選挙・党員集会におけるトランプ候補の言動に基づいて、どのような考え方やものの見方をする傾向があるのか、同候補の思考様式について述べていきます。

トランプの不公平

 トランプ候補の思考様式で看過できないのが「不公平」です(図表)。

 トランプ候補は、『トランプ自伝』(ドナルド・トランプ&トニー・シュワォーツ, 相原真理子訳, ちくま文庫)の中で「良くしてくれた人には、こちらも良くする。けれども不公平な扱いや不法な処遇を受けたり、不当に利用されそうになった時には徹底的に戦うのが私の信条だ」と述べており、不公平に対してかなり敏感に反応する傾向があることが窺えます。その傾向は、ビジネスのみならず2016年米大統領選挙においても顕著に現れています。

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