BBC News

2016年4月18日

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強い地震に相次いで襲われた熊本県や大分県など九州地方の被災地では、少なくとも42人が死亡し、約2000人が負傷。約200人が重体という。440回以上の余震が続くなか、約20万人が避難を余儀なくされている。日本のメディアによると6万2000戸以上で停電、30万戸で断水が続いている。

日本赤十字社の粉川直樹氏はBBCに対し、強い余震の恐れが続くなか、25万人近くが自宅から避難するよう指示されていると話した。各地の避難所に医療チームを増派しているという。

安倍晋三首相は18日午前、「まだに行方不明の方もおり、今後引き続き、救命・救助活動に全力を挙げて当たっていく」と述べた。また衆院では、「激甚災害指定の方向に向けて決定したい」と、指定に前向きな姿勢を示した。

熊本県を中心に14日深夜にマグニチュード(M)6.4、16日未明にM7.3の強い地震が相次いだ。共に震源の深さは約10キロと浅く、建物や道路、橋、トンネルなどに甚大な被害をもたらした。各地で土砂崩れや道路崩落が発生し、山間部では多くの村落が孤立している。

20万人以上が避難を余儀なくされるなか、各地の避難所は満員状態になっている。余震を恐れるなどの理由も合わさり、屋外や車の中で寝泊まりする人も多い。

益城町近くの52歳住民はAFP通信に対して「車の中で寝て、日中はテントで過ごしている」と話した。

水や食料など必要な救援物資が、被災者の手に行き渡っていないという声も上がっている。夕飯はおにぎり2つだけ、水が足りないなどと複数の被災者が話している。

阿蘇市のコミュニティー・センターの給水の列に並んでいた女性は、AP通信に対して、「水と電気がないと何もできない。テレビがないと災害支援活動の情報も得られない。お風呂に入れない。シャワーさえ浴びれない」と話した。

支援が不十分という批判について、安倍首相は「たくさんの方が避難所で不安な時を過ごしている。住環境の改善に努力する」と述べている。

首相は17日には被災地に派遣する自衛隊を2万5000人態勢に拡大すると発表。米軍による空輸支援を受け入れる考えも表明した。

天候が回復した17日には救助ヘリが孤立地区などに向かい、救助捜索を続けた。

熊本地方の地震の影響で、熊本や近県にある工場の操業停止が相次いでいる。トヨタ自動車は17日、九州からの部品の供給が滞っているため、グループ会社を含む国内複数の自動車組み立て工場で操業を段階的に停止すると発表した。

日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁は14日(日本時間15日早朝)、米ワシントンでの記者会見で、熊本県で最大震度7を記録した強い地震について、「関係当局とも連携して適切に対応するように指示をした」と話した。「日本銀行の熊本支店は被害を受けていないようなので、15日も正常に営業する。決済関係の日銀ネットも通常通り行われる」とも述べた。財務局などと連携して対応にあたるという。

ワシントンで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に出席した日本銀行の黒田東彦総裁は、震災の経済的影響を分析するのは時期尚早だが、熊本市内にある熊本支店や、銀行間の資金決済を行う日銀ネットにも地震による被害はないと説明した。

<現場から> ルーパート・ウィングフィールド=ヘイズ記者

自分がいま立っている南阿蘇村の渓谷の向かい側では、数百メートルも崩れ落ちた斜面が幹線道路を寸断し、一帯を飲み込んでしまった。

救助隊が重機を使って、埋もれた家屋の周りの大量の土砂をどかしている。この土砂崩れ現場では少なくとも8人が埋まってしまったと考えられているが、もっと多いかもしれない。

夜にかけて大量の雨が降り、余震はひっきりなしに続く。

甚大な被害を受けた益城町では、数千人が3回目の夜を避難所や車内、場合によっては屋外で過ごした。

誰もがひどいショックを受けている。ここは、大きな地震の経験があまりない地域だ。話を聞いた人たちは一様に同じことを言う。こんなことは経験したことがないと。

(英語記事 Japan earthquake: Thousands remain without vital services)

提供元:http://www.bbc.com/japanese/36069374

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