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2016年4月18日

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ブラジル下院は17日、政府予算を操作して赤字を少なく見せたと批判されているルセフ大統領(68)の弾劾手続き開始決議を、賛成367対反対167で承認した。長時間の議論の末、弾劾支持派が必要な3分の2(342票)以上の票を得た。7人は棄権した。続く上院審議は5月に始まる予定で、審議する間、大統領を職務停止にする見通し。

ルセフ大統領は粉飾会計を否定しており、政敵によるクーデターだと批判している。

与党・労働党は「戦いは上院で続く」とコメントしている。

投票前の下院での審議はテレビや国内主要都市中心部の大型スクリーンなどで中継された。

労働党のフロレンス議員は大統領を支持し、汚職の疑いを自分たちもかけられているのに大統領を攻撃する野党議員たちを批判。国会議員は「民主的良心」が必要だと呼びかけた。

弾劾を支持する社会民主党のインバッサイ議員は、ブラジルは「道徳の再建」が必要で、「求める未来の国の姿」を選ぶよう議員たちに訴えた。

上院が弾劾を支持する場合、大統領は上院に設置される弾劾法廷にかけられ、有罪が認められると罷免される。その場合、復職はできない。

国内主要都市の大型スクリーンを前に、何万人もの市民が下院の議論を注視した。大統領支持派は赤いシャツを、反対派は国旗の黄色と緑を身につけていた。

議事堂前では敷地の外に大統領支持派と反対派の両方が計約2万5000人集まり、弾劾支持票が既定の3分の2に達する前から弾劾賛成派は大きな歓声を上げ続けた。

ルセフ大統領は不正行為はしていないと主張を繰り返しており、16日付の地元紙への寄稿で、政敵たちが「罪のない女を有罪にし、腐敗した連中を助けようとしている」と書いた。

ブラジルで取材するBBCのウィラ・デイビース記者は、厳しい経済危機に直面するブラジルでルセフ大統領は不人気な指導者だと指摘する。

大統領が弾劾・罷免されると、テメル副大統領が暫定大統領となるが、テメル氏自身もルセフ氏と同じ国家会計粉飾の疑いで弾劾手続きの渦中にある。またルセフ氏は、テメル氏が「クーデター」の首謀者の一人だと避難している。

大統領はさらに、継承順位第2位のクニャ下院議長も、クーデターを企てる1人だと非難。クニャ氏も、数百万ドル分の収賄容疑で捜査対象となっている。

継承順位3位のカリェイロス上院議長も、国営石油大手ペトロブラスによるとされる巨額贈収賄事件で捜査されている。

テメル副大統領、クニャ下院議長、カリェイロス上院議長はいずれも、最大議席を持つブラジル民主運動党(PMDB)所属。PMDBは連立政権に参加していたが、弾劾手続きを支持するため3月に連立政権を離脱した。3人はいずれも収賄の疑いを否定している。

(英語記事 Brazil crisis: Rousseff loses lower house impeachment vote)

提供元:http://www.bbc.com/japanese/36069661

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