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2016年4月20日

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米大統領選の候補を決める予備選の重要な決戦地、大票田ニューヨーク州での予備選が19日、行われた。現地時間午後9時(日本時間20日午前10時)で投票が締め切られると、米メディア各社は、共和党では実業家ドナルド・トランプ氏勝利と一斉に伝えた。民主党については現地時間午後9時40分ごろに、米メディア各社がヒラリー・クリントン前国務長官勝利と速報した。

開票率90%超で、トランプ氏の得票率は約60%余、クリントン氏は58%弱。

マンハッタンの自社ビル「トランプ・タワー」で支援者を前にしたトランプ氏は、「私を一番よく知るニューヨークの人たちが、これほどの投票をしてくれるとは、素晴らしいことだ」と感謝した。さらに「誰もとても想像もできなかったような」数の代議員を獲得して党大会に臨むと宣言した。また共和党の予備選は「仕組まれた、歪んだシステムだ」と批判を重ね、党主流派が党大会の取り引きでテッド・クルーズ上院議員(テキサス州選出)を指名しようとしているのではないかと取りざたされているのを念頭に、「今の共和党みたいなやり方で選挙の勝ちを奪い取るなどありえない」と釘を刺した。

一方で、勝利を確実にしたクリントン氏は支援者を前に、「ニューヨークの皆さん、皆さんはいつも私を支えてくれたし、私もいつでも皆さんを支えようとしてきました」とあいさつし、「今日もまた、一緒にやり遂げました。本当に心から感謝しています」と述べた。さらに党の指名獲得レースは「最終コーナーを回り、勝利が見えてきた」と自信を示した。

民主党では、しばらく連勝を続けたサンダース氏がクリントン氏に肉薄するなか互いに非難合戦が続いたが、クリントン氏はサンダース支持者たちに「私たちを分断するものよりも、私たちを結びつけるものの方がたくさんある」と結束を呼びかけた。またムスリム(イスラム教徒)の入国禁止などを掲げるトランプ氏を念頭に、「そんなことはアメリカの本質とまったく違う。アメリカはそういう国ではない」と批判した。

トランプ氏は19日朝にマンハッタンで投票し、クリントン氏は夫ビル・クリントン元大統領と共に州北部チャパクアの自宅近くで投票した。

AP通信の集計によると、ニューヨーク予備選後の現地時間19日午後時10半現在でクリントン氏が獲得した代議員は1887人、サンダース氏は1174人。民主党の候補指名獲得には代議員2383人の支持が必要。代議員1237人の支持が必要な共和党では、トランプ氏が845人、クルーズ氏が559人をそれぞれ獲得している。

ニューヨーク州の共和党が7月の全国党大会に送り込む代議員は95人、民主党は291人。

ニューヨーク州は両党の主な候補のうち3人にとって、地元と言える。クリントン氏は2001年から2009年までニューヨーク州選出の上院議員を務めた。民主党のバーニー・サンダース上院議員(バーモント州選出)はニューヨーク市ブルックリン地区生まれ。トランプ氏はニューヨーク市クイーンズ地区生まれで、マンハッタン市内には自分の名前を掲げた高層ビルもある。

ニューヨーク市での予備選投票をめぐっては、有権者名簿から12万5000人もの名前が抜け落ちていたなど、様々な不備があったという不平が相次いだ。同市の監査役は、選挙管理委員会の運営が「混乱してずさんだった」と批判し、選管の体制点検を指示した。

サンダース陣営は予備選を戦い続けると表明し、19日は紐育ではなく26日に予備選が行われる次の大票田ペンシルベニア州を遊説して回った。サンダース氏は、直近8州での予備選のうち7州で勝ち、勢いに乗ってはいるものの代議員の数でクリントン氏に後れを取っている。

トランプ氏を「ニューヨーク的価値観の持ち主」だと批判したことなどが響き、ニューヨークでの支持率は低迷したクルーズ氏も、この日はペンシルベニア州を遊説。AP通信によるとクルーズ氏は、ニューヨークの結果について「政治家が地元で勝ったに過ぎない」と一蹴した。

一方のトランプ氏は18日の支援者集会で、2001年9月11日の世界同時多発テロで活躍した警官や消防士たちについて「自分はその場にいたので、自分にとってとても大事なことだ」と称えようとした際に、「9/11(ナイン・イレブン)」ではなく「7/11(セブン・イレブン)」と口を滑らせたことが話題になった。

(英語記事 US election 2016: New York primaries crucial for Clinton and Trump)

提供元:http://www.bbc.com/japanese/36088889

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