BBC News

2016年5月10日

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北朝鮮の首都平壌で10日午前、前日に閉幕した朝鮮労働党第7回党大会を祝う集会とパレードが行われ、市民数十万人が参加した。36年ぶりの党大会で、金正恩(キムジョンウン)氏は「第1書記」から新たに「党委員長」に選出され、国家指導者としての地位を固めた。

金日成広場での祝賀行事では、正恩氏が壇上から手を振ったり、軍や党幹部らと談笑する姿が見られた。パレードでは市民数十万人が、ピンクの紙の花や色とりどりの風船、赤い党旗などを手に行進。作り物のミサイルが乗せられた山車も登場した。

国営メディアは10日、正恩氏の妹の金与正(キムヨジョン)氏が、党中央委員に選ばれたと伝えた。党宣伝扇動副部長としてすでに権力を持つ与正氏の中央委員選出はかねてからの予想通りで、金正恩体制の地盤固めの一環とみられている。

6日から9日まで開かれた党大会は、新たな「国家経済発展5カ年戦略」を打ち出したほか、「経済建設と核戦力建設を並進させる」ことを国の方針として確認した。

その上で正恩氏は「責任ある核保有国として、われわれの共和国は、核を持つ攻撃的な敵対勢力によって主権が侵害されない限り核兵器を使用しない」と発言した。

中国政府は代表使節を送らなかったが、正恩氏の党委員長就任に際して祝電を送った。使節を送らなかったのは、北朝鮮が5回目の核実験を準備しているとされることへの不快感のあらわれではないかとみるアナリストたちもいる。

北朝鮮政府は、外国人記者100人以上に党大会取材のため入国を許可したが、実際に会場取材が認められたのは数人で、与えられた取材時間もごくわずかだった。

9日にはBBCの取材チーム3人が、報道内容を理由に国外退去させられた。ルーパート・ウィングフィールド=ヘイズ記者は6日に拘束され、8時間にわたる事情聴取の末、謝罪文に署名させられた。

BBCの広報担当者は、「当方のルーパート・ウィングフィールド=ヘイズ記者が報道した内容について、北朝鮮政府が不快とし、記者と取材チームを国外退去させたことを非常に残念に思う」とコメントした。

<現場から>スティーブン・エバンズ、平壌

集会での人数は把握しにくいが、私が数えたところでは、横50人縦50人以上の集団が1時間にわたり、次々と目の前を通り過ぎて行った。赤い横断幕を手に、膝を曲げない行進特有の歩き方で進む人たちもいた。

厳密な振り付けに従って旗を振る人たちもいた。伝統的なチマチョゴリ姿の女性や、スーツにネクタイ姿の男性もいた。

軍服ではない一般市民は行進する代わりに広場を跳び回り、金正恩氏がいる観覧台を見上げて歓声を上げていた。

どうしてそんなに嬉しいのか、尋ねてみた。何度も返ってきた答えは、正恩氏が党委員長に昇進したのが嬉しくて仕方がないのだというものだった。

この人たちの本心を知るのはとても難しい。いくつもの思いが合わさっているのかもしれない。顔見知りの人たちの表情をさりげなく眺めていたのだが、本当に感極まって喜んでいるように見えた。だからといって、北朝鮮の人たちが抑圧されていないということにはならない。複数の脱北者の証言が、そして実態を伴う選挙が行われていない現実が、抑圧はあるのだと物語っている。

(英語記事 North Korea holds rally to mark end of party congress)

提供元:http://www.bbc.com/japanese/36254263

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