石油を読む

2016年5月25日

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 5月1日から2日、北九州市でG7エネルギー大臣会合が開かれ、「LNGに関する価格指標の確立、LNG基地等のインフラの開放といった包括的な取組を通じ、国際的なLNG市場の確立を目指す」と、合意した。

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 これに合わせて経済産業省は5月2日、『LNG市場戦略Strategy for LNG Market Development ~流動性の高いLNG市場と“日本LNGハブ“の実現に向けて~』を発表。日本は、LNG市場の実現に向けた取組を進め、日本で開催されるLNG産消会議も活用して生産国、消費国双方との連携を強化する、と表明した。

 日経新聞も同調している。「硬直的な取引慣行を見直し、いつでも需給で決まる価格で調達できる市場を整える必要がある。G7が連携し、LNG生産国に慣行の見直しを求めていきたい」(日経新聞社説 5月4日)

 本稿はこの動向にコメントするものである。最初に経産省の『LNG市場戦略』を引用しながら国のめざす市場の姿を紹介し、後段でその実効性を考える。

経産省が描く“LNG市場戦略”

 経産省は、「LNGハブ」をめぐるアジア諸国の動きを注目する。シンガポールはハブの獲得に向け政府主導で取組が進み、上海でも天然ガス取引所が開設された。我が国は東京商品取引所(TOCOM)が、LNG店頭取引市場を開設した。競争が起こっている。我が国がハブになれれば、日本に有利な条件でLNG調達ができるのではないか。そこで「日本LNGハブ」を形成したい。曰く、

 「我が国としては、流動性の高いLNG市場の実現を目指すと同時に、世界最大のLNG需要国という優位性を活かし、LNG取引の集積や価格の形成・発信の面で国際的に認知された「ハブ」となることを目指すべきである。これにより、より需給調整や価格裁定を行い易くなり、国全体としての調達安定性や価格交渉力の向上も期待できる。当面の間は、我が国がLNGの最大消費国である可能性が高く、かつ、内外の市場環境がダイナミックな発展を遂げると見られるため、我が国としては、2020年代前半までに、「ハブ」の地位を占めることを目標とし、あらゆる取組を加速させていくこととする」

 具体的にどんな市場を作るのだろうか。

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