BBC News

2016年5月17日

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香港では17日、民主化運動が激化した2014年以降で最も高位の中国要人訪問に対応して、厳重な警戒態勢が敷かれた。中国による香港への介入や、地域の自由への懸念が高まるなかでの要人訪問で、民主化を訴える複数の集団が抗議デモを予定している。

6000人以上の警察が配置されており、市の中心部には人の背丈を超えるほどのバリケードが並べられた。小型無人機(ドローン)の使用も禁止されている。

3日間の予定で香港を訪問した張徳江・全国人民代表大会(全人代、国会に相当)委員長は、中国共産党序列3位で香港関連の政策を担当する。滞在中は経済会合での講演や、民主化を支持する議員らとの面会が予定されている。

香港に到着した張徳江氏は5分間の演説で、「習近平国家主席から香港の人々に向けたあいさつ」を託されてきたとして、「中央政府、そしてすべての中国国民の気遣いを携えて来た」と述べた。

張氏は自分の香港訪問が「各方面で注目されている」と述べた上で、「(梁振英)行政長官や行政府から仕事内容について話を聞く。また、『一国二制度』の原則を適用する上での提案や条件について、社会のあらゆる分野に耳を傾ける」と語った。

当局が垂れ幕を撤去

張氏が到着する数時間前には、香港でよく知られる筆架山(ビーコン・ヒル)に「本物の普通選挙を望む」と書かれた垂れ幕を活動家たちが掲げたが、その後撤去された。

張氏は、完全な自由選挙を求める大規模な抗議行動が起きた2014年以降に香港を訪れる中国政府関係者の中で、党内序列が最も高い。

香港ではデモ以降、中国本土の政治・社会的な影響力の増大を嫌い、香港独自のアイデンティティーが薄められることに暴力で対抗するのを厭わない、「本土派」と呼ばれる反中国の集団が生まれた。

今年2月には、繁華街・旺角(モンコック)で無許可営業の屋台を保健当局が取り締まろうとしたことをきっかけに、警察とデモ隊が衝突する騒動が起きた。デモ参加者は舗装された道路の石を外して警察に投石するなどした。取り締まりに抗議した人々は、屋台が香港文化の象徴のひとつだと考えている。

今月に入り、議会の建物付近では、舗装が取り外せないように接着剤で固定する工事が進められた。

16日には、ドローンを使って張氏の訪問中に騒ぎを起こそうとしたとして、香港の男性が逮捕されたことが明らかになった。

BBCのジュリアナ・リュー記者は、張氏の訪問を受けた厳重な警備は、いかに香港当局が民主化運動家の行動を懸念しているかを示したものだ、と指摘する。一方、民主化を訴える活動家たちは、張氏に近づけないようにする措置に不満を持っており、警備体制に挑戦する決意を表明しているという。

香港は1997年の中国返還時に、「一国二制度」を50年間維持することで英国と中国が合意しており、中国本土にはない自治権が与えられている。

中国指導部に関する本を出版した香港の書店関係者5人が一時消息を絶った際には、香港の自由が脅かされるとの懸念が高まった。

5人はその後、本土の当局に拘束されていたことが判明したが、英国外務省は、拘束は両国の共同声明の「重大な違反」だとして非難した。

(英語記事 Hong Kong security tightened as key Chinese leader visits)

提供元:http://www.bbc.com/japanese/36309278

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