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2016年5月23日

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オーストリア内務省は22日、同日に投開票のあった大統領選で極右候補がリベラル候補に僅差でリードしていると明らかにした。結果は郵便投票の開票後に判明する見通し。もし極右「自由党」のノルベルト・ホーファー氏(45)が当選すれば、欧州連合(EU)初の極右国家指導者となる。

オーストリア内務省によると、投票所での票を開票したところ、ホーファー氏の得票率51.9%に対して、リベラル政党「緑の党」出身のアレクサンドル・ファン・デア・ベレン氏(72)の得票率は48.1%。有権者640万人の約12%にあたる約75万票は郵便投票で、23日に開票される予定。

ホーファー氏は、勝者は「オーストリアをまとめなくてはならない」と述べ、ファン・デア・ベレン氏は自分はEUを支持してきたとコメントした。

大統領選の最大争点は移民受け入れの是非だった。オーストリアでは昨年、人口の約1%にあたる9万人が難民申請した。自由党は移民受け入れ反対を掲げている。

オーストリアの大統領選で左派・右派ともに中道政党の候補が予備選で敗退するのは、第2次世界大戦以来初めて。

欧州委員会のユンケル委員長も欧州議会のシュルツ議長も、ホーファー氏当選の可能性について懸念を示している。

4月の一次投票では、ホーファー氏は35%、ファン・デア・ベレン氏は21%をそれぞれ得票。中道左派与党・社会民主党の擁立候補敗退を受けて、同党を率いるファイマン首相が辞任した。

大統領選はフィッシャー大統領の任期満了に伴うもの。

オーストリアは長年にわたり社会民主党と中道右派・国民党が連立もしくは単独で政権を担ってきた。2013年の総選挙では両党がぎりぎりの議席数で「大連立」を形成した。

社会民主党と国民党の二大政党への根深い不満に移民危機への懸念が合わさって、自由党が支持を伸ばしていたところに、今回の大統領選が行われ、国の方向性に関する深い民意の分断を浮き彫りにした。

オーストリアでは大統領の実務権限は限られているが、自由党のホーファー候補が勝てば、他の欧州諸国でも極右勢力が勢いづくきっかけとなるかもしれない。

ホーファー氏は航空技師で、選挙中は「オーストリアにいて『イスラム国』のために戦ったり女性を強姦する連中に告げる。『ここはお前たちの国じゃない』」と繰り返した。

ファン・デア・ベレン氏は経済学の教授で、元緑の党党首。選挙戦では「国家主義の狂気が第2次世界大戦でオーストリアを壊滅させた。その瓦礫の中からの復活を私は経験してきた」と強調していた。

(英語記事 Austria presidential vote: Postal ballots to decide result)

提供元:http://www.bbc.com/japanese/36355876

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