今月の旅指南

2009年12月30日

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辻 一子 (つじ・いちこ)

岡山県生まれ。フリーライター。旅行会社のPR誌の編集者を経て、1998年からフリーランスに。旅の雑誌を中心に活躍。

 日本の祭りや伝統の風物を独特の色づかいと斬新な構図で表現する画家、木田安彦。NHK大河ドラマ「新選組!」のタイトル画に使用された彼の版画に見覚えのある方も多いことだろう。

 グラフィックデザイン出身の木田が、京都を拠点に版画制作を始めたのは1975年から。また80年頃からは華麗な色彩によるガラス絵を手がけ、さらには板絵、陶画、ドローイング、木彫、墨絵など、さまざまな技法で精力的に作品をつくり続けてきた。日本の美意識に現代デザインの感性が加わった彼の作品群は、国内はもとより海外でも高い評価を得ており、木版画作品は海を越えて大英博物館にも収蔵されている。

木田安彦 「日本の名刹」《日光山輪王寺》 ガラス絵 2009年

 今回の展覧会では、木田が1年半かけて霊場を巡り、5年間にわたって制作、彫りから摺りまですべて本人によって完成された「西国三十三所〔さいごくさんじゅうさんかしょ〕」全36点と、三十三間堂や日光山輪王寺〔にっこうざんりんのうじ〕などをテーマとしたガラス絵の最新シリーズ「日本の名刹」全30点が公開される。

 “木”と“ガラス”――。素材は異なるが、寺社建造物や仏像、自然風土など、人々の信仰の対象を緻密かつ大胆に描き出し、深い精神性によって表現したふたつのシリーズ。日本人の祈りのこころを感じるにちがいない。
 

 
 
 
 

木田安彦の世界 木版画「西国三十三所」ガラス絵「日本の名刹」
東京都港区・パナソニック電工 汐留ミュージアム(山手線新橋駅下車)
〈問〉03(5777)8600
http://panasonic-denko.co.jp/corp/museum/

◆「ひととき」2010年1月号より


 

 


 

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