ウェッジ新刊インタビュー

2016年6月1日

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白川修一郎

睡眠評価研究機構代表、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所客員研究員。医学博士。東京都神経科学総合研究所客員研究員。睡眠研究のパイオニアとして知られ、JR東海など企業の睡眠教育にかかわるほか、各メディアで睡眠科学に基づく正しい睡眠の方法を解説している。主な著書に『脳も体もガラリと変わる!「睡眠力」を上げる方法』(永岡書房)、監修書に『応用講座 睡眠改善学』(ゆまに書房)などがある。

快眠のメリットを、ビジネスに取り入れる

快眠の人と不眠の人では第一印象も変わってきます。 イラスト=サタケシュンスケ(以下同)

 ビジネスパーソンにとって、快眠のメリットはたくさんありますよ。

 まずは記憶の固定。ノンレム睡眠には、ある時間や場所での出来事に結びついている記憶(エピソード記憶)や、本や教科書からの学習や知識のように時間や場所に依存しない記憶(意味記憶)のような陳述記憶(宣言的記憶)を固定する役割があります。レム睡眠は、自転車や車の運転のように体で覚え、意識しなくとも使うことができる記憶(手続記憶)の学習に関係しています。

 逆説的ではありますが、記憶の消去にも睡眠が関係しています。記憶強度の低い(脳が自動的に判断)もの、索引化が困難なものから睡眠中に消去されると推測されています。さらに、ストレスになるその日の記憶を消去する働きもあるのです。

 第一印象も良くなると言えます。なぜなら、姿勢や顔の緊張、目の動きを支える筋力は、睡眠が不足すると弱まり、弛緩してしまうのです。好ましい印象を保ちたいなら、しっかり睡眠をとりましょう。

 また、心身の健康を保つのに有効なことは、言うまでもありません。寝不足の人は抑うつ症状の傾向が高いですし、風邪や肥満のリスクを上げてしまうというデータもあります。元気に働くという意味でも、しっかり眠っておきたいものですね。デキるビジネスパーソンなら、睡眠時間もスケジュールに入れておくものです。

いつもの生活に、快眠グセをつけるには?

 では、どうやって快眠を手に入れるか? 

 すべては自分の睡眠の現状を知ることから始まります。1週間、「睡眠ダイアリー」というものをつけてみてください。くわしいことは拙著『ビジネスパーソンのための快眠読本』で紹介してありますが、快眠には、①ノンレム睡眠とレム睡眠、②サーカディアンリズムの2つのプロセスが大きく関わってきます。この2つが基本としてあり、その上で個々人の世代や体調、生活環境が影響してくるのです。そして「睡眠ダイアリー」をつけることによって、自分の睡眠パターンをどのように快眠パターンに近づけるかが見えてくるはずです。

睡眠ダイアリーの記入例。自分の睡眠を把握するため、まずは1週間付けてみよう
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