ウェッジ新刊インタビュー

2016年6月1日

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白川修一郎

睡眠評価研究機構代表、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所客員研究員。医学博士。東京都神経科学総合研究所客員研究員。睡眠研究のパイオニアとして知られ、JR東海など企業の睡眠教育にかかわるほか、各メディアで睡眠科学に基づく正しい睡眠の方法を解説している。主な著書に『脳も体もガラリと変わる!「睡眠力」を上げる方法』(永岡書房)、監修書に『応用講座 睡眠改善学』(ゆまに書房)などがある。

① ノンレム睡眠とレム睡眠の違いを知る

レム睡眠とノンレム睡眠はどう違う? 
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 人間の場合、ノンレム(NREM)睡眠は浅いほうから段階1~4までに分類され、別に質的に異なる睡眠としてレム(REM)睡眠が存在します。

 レム睡眠とノンレム睡眠の周期は、一晩で3~5回観察され、健康な20代では70~110分の分布を示し、平均はほぼ90分。深い睡眠である徐波睡眠(ノンレム睡眠の段階3~4)から無理に目覚めさせられた場合に、眠気は最も強く目覚め感も最悪です。レム睡眠から目覚めさせられた時も眠気が強い場合が多く、さらに筋肉の脱力感や身体的違和感もあり、必ずしもスッキリと目覚められるわけではありません。本当は、ノンレム睡眠の段階1の浅い睡眠の状態で目覚ましが鳴ると、目覚めやすく眠気も少ないのです。

② サーカディアンリズムを整えよう
人間のほとんどの細胞には、時計遺伝子が存在しています。時計遺伝子によって生じる体内時計が、体のなかのさまざまなリズム現象をコントロールしているのです。

 人間のサーカディアンリズム現象のうちで、最も観察しやすい現象は睡眠・覚醒リズムと自律神経系が支配する体温や心拍数、血圧の変動リズムです。体内にはいくつものサーカディアンリズムの体内時計が存在しています。そしてこれらのすべての体内時計のマスタークロックは、脳の視床下部の視交叉上核に存在します。

 このマスタークロックを明暗サイクルや運動のタイミングで周期を約24時間に同調させています。つまり、サーカディアンリズムをきちんと保つためには、規則正しい生活をして朝の光でしっかり目覚め、毎日のリズムを刻んでいくことが大切です。

 大多数の成人では、2週間の平均で6時間未満の睡眠では、健康的で楽しい日常生活をおくるのが難しいとされています。睡眠ダイアリーを見ながら、まず睡眠を確保して健康の維持を優先させ、仕事や家庭のスケジュールを見直しましょう。 

 紙に記録するのが面倒だという人は、睡眠ダイアリーを簡単に記録できる睡眠グッズを利用しましょう。活動量計は、体の動き(活動量)を連続的に自動計測して、睡眠と覚醒を判別する機器です。加速度センサーを内蔵した機器を非利き腕に着けて活動量を連続して測定し、睡眠と覚醒を数週間にわたり計測する方法(アクチグラフィー)が、かなり前から睡眠の研究や臨床で使われてきました。いくつかの医療用機器については、睡眠を脳波で判別する睡眠ポリグラフィーとの一致率についても報告され、精度もかなり高いものがあります。

 インターネットや電気量販店で販売されている最近のウェアラブル端末によるアクティビティーの測定も、ほぼ同じ原理を使ったものが大多数です。NTTDocomoのムーブバンド、ソフトバンクと提携しているFitbitなど、さまざまなものがあります。

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