ネット炎上のかけらを拾いに

2016年5月31日

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 ストーカーやDV、性犯罪などが報じられるとき、悲しいことだが被害者に対して世間の非難が向けられることも少なくない。多くは「被害者が加害者を怒らせるようなことをしたのではないか」「被害者にも落ち度があったのでは」という推測に基づくものだ。

 しかし今回、ネット上でこういった被害者を貶める内容の推測はとても少なかったと感じる。それは加害者自身がたくさんの「証拠」をネット上に残し、そこにユーザーたちが明らかな異常性を読み取ったことと無関係ではないだろう。

「アイドル」として報じられた被害女性

 また一方で、一部で女性が「アイドル」と報じられていることに対するネット上の反発もあった。女性は実際にアイドルグループのメンバーとして活動していた時期もあったが、現在はシンガー・ソングライターとして活動していたからだ。

 また、アイドルとして報じられたことで、「最近のアイドルは握手会など、ファンとの距離が近すぎることが問題」「地下アイドルは自分で自分の身を守らなければならず危険すぎる」といった論調のコメントも見られた。

 しかし、加害者が以前にファンだったのが有名女優であるらしいことや、過去にも飲食店勤務の女性に対してストーカー行為を行っていたという報道があることなどから、加害者が「アイドルだから」という理由で被害者に執着していたとは考えづらい。また、アイドルや芸能人がファンから襲われる事件は昭和の時代から繰り返されていることであり、最近特に多く発生しているとは言いづらい。

 ただ、以前は近づきがたい存在だった芸能人が、ブログやツイッター、インスタグラムなどで私生活の一端を公開することにより、「身近に感じる」ようになった人は多いだろう。「身近に感じる」くらいならばいいが、ネット上で芸能人と「つながることができる」という錯覚が起こり、この錯覚がエスカレートすることがあるのは恐ろしい。

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