ルポ・少年院の子どもたち

2016年6月15日

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 2015年に施行された少年院法において、第1種短期社会適応課程に類型されている千葉県の少年院「市原学園」を取材した。

 短期社会適応課程とは、義務教育を修了した者のうち、その者の持つ問題性が単純又は比較的軽く、早期改善の可能性が大きい者を対象とした施設で、市原学園の標準的な教育期間は20週間である。

市原学園 法務教官 吉江正芳専門官 企画主任に聞く

 子どもが好きで、子どもたちに接する仕事に就きたいと一貫して教育者を志していたが、進路を決める段階で法務教官という職業を知り「教員とは違うが、これも教育。本質は同じだ」と、採用試験にチャレンジ。以来、20数年間この道に携わってきた法務教官 吉江正芳専門官。現在は市原学園の企画主任として管理運営の役割を担っている。

在院生たちの作品

――時代の変化と共に少年たちにも変化があると思うのですが、どのような点ですか。

 以前は暴走族など何らかの集団に所属している子が多かったのですが、いまは特殊詐欺がかなりの比率で増えてきています。暴走族のような反社会的な子ではなく、非社会的な子が増えてきている感じです。周囲から孤立しがちで人間関係が薄い子たちということです。

 もちろん、同じ尺度では測れませんが、ここに入って来る子たちは変わってきたように感じます。

 少年犯罪は時代をよく映していると思います。

――特殊詐欺についてもう少し具体的にお聞かせ下さい。

 振り込め詐欺などは彼らが考えたことではなくて大人が考えたものです。「これを持って、あそこへ持って行ってくれ、お小遣あげるから」などと誘われて、上手く使われていくケースです。彼らは底辺のところしか知りませんから、逮捕されても上にたどり着くことができませんので、こうした犯罪はなかなか無くなってはいきません。

 市原学園にはいわゆる非行少年だけではなく大学生もいますし、会社員だった子もいます。また、会社員みたいだった子もいます。それは、スーツを着て毎日出勤して事務所で電話を掛けまくる融資詐欺です。

 最初は怪しいなと思いながらも、分厚いマニュアルを渡されて、その通りに電話を掛けるのが仕事です。給料をもらうわけですから、親御さんも普通に働いていると思っています。

 でも、本人は自分がしていることに気づいています。いったんそういった組織に加わってしまった以上抜けられないんじゃないかとか、抜けたら大変な目にあうんじゃないかと思って、悪いと知りつつも毎日通い続けて、ある日突然事務所がなくなっていた、なんていうケースです。

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