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2016年6月6日

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イラク政府軍による奪還作戦が続く中部ファルージャで、市内を脱出しようとする市民に対して、過激派勢力のいわゆる「イスラム国」(IS)が発砲し射殺しているという。ノルウェー難民委員会(NRC)が5日、脱出市民から聞き取った内容として明らかにした。ユーフラテス河を渡ろうとする市民に向けて発砲しているという。

ファルージャ近くで難民キャンプを運営するNRCのイラク責任者ナスル・マフラヒさんは、発砲しているのは「武装反政府勢力」だと言い、「生き延びるため何もかも捨てて逃げだした罪のない人々に、恐れていた最悪の事態が起きている」と話した。NRCによると、5月21日から3000人近くがファルージャから難民キャンプにたどりついたが、市内には最大で市民5万人が残っている。

ファルージャ地方議会のシャキル・アル・エッサウィ氏はロイター通信に、市民はユーフラテス河を渡るために冷蔵庫や棚、たるなどを使っていると話した。

ユーフラテス河を渡ろうとした住民のうち、少なくとも4人が溺死したという情報もある。

ファルージャは首都バグダッドから西50キロにあり、2014年からISが制圧。北部モスルと並び、ラク国内に2カ所残るIS主要拠点のひとつ。

イラク政府軍は5日、ファルージャはほぼ完全に包囲したが、ユーフラテス河西岸のみが制圧できていないと話した。

AP通信によると、イラク軍は米軍主導の空爆に援護され、ファルージャ南部ナイミヤも制圧した。

イラクのアバディ首相は先週、住民を守るため進攻の速度を落としたと話していた。

複数のイラク政府関係者によると、軍が町の中心部へ進軍するに伴い、ISも徹底抗戦で応じているという。

AFP通信は5日、ファルージャ北部のサクラウィヤの町で、最大400人の遺体が集団埋葬されているのが見つかったと伝えた。2014年から2015年にかけてISに殺害された兵士たちとみられる。

ファルージャはバグダッドとシリア、ヨルダンをつなぐ交通の要衝で、2014年に制圧される以前の人口は30万人以上。イスラム教スンニ派が住民の大半を占め、イラク戦争中はサダム・フセイン政権を支持したため、2003年から2004年にかけて米軍への抵抗の象徴となった。

(英語記事 Iraq violence: Civilians 'shot as they flee Falluja')

提供元:http://www.bbc.com/japanese/36457366

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