あの負けがあってこそ

2016年6月17日

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インタビューに答える廣瀬さん

 廣瀬が大舞台のピッチに立つことはなかった。しかし、日本代表の「勝つ文化」の礎を築き、日本ラグビー史を塗り替えた立役者であることはまぎれもない事実である。

 その廣瀬というリーダーの基礎を作ったものとは何だろうか。

 「ラグビーは犠牲的精神という言葉で言い表されるような痛くて厳しいスポーツですが、多様性があって、お互いを尊敬し合う心があって、独自の文化や価値観を持っています。

 ラグビーを30年間続けましたが、少しずつ自分の基礎が培われていったと思っています。また、支えてくれた仲間の存在も大きかったと思っています」

 またリーダーとしては、

 「大学や東芝、日本代表などで素晴らしいキャプテンを見ながら、自分なりのリーダー像が出来上がっていったと思っています。

 その時々は凄くもがいているんですよ、悩んで、悩んで、キャプテンを辞めたいとか、逃げ出したいと思ったこともありました。それでも、がんばろうと思いながらやってきました。乗り越える前は大変です。でも、乗り越えてしまえば『そんなものか』と思えてくる。言葉にするのは難しいですが、そんなことを繰り返してここまできました」

チーム作りの要諦を聞く

 「僕の基本的な考えはチームのみんなを信頼することにあります。自分一人の知恵よりも、みんなで知恵を出し合った方がより良いものができると思っています。だからトップダウンなんて考えたことはありません。いつも、みんなでチームを作り上げていこうと意識してきました。

 大切なことは、それぞれの選手の居場所作りにあると思います。自分が活躍できる場があると思えれば意識が高まりますし、チームに貢献しようと思うはずです。一番辛いことは、自分がいてもいなくても、何も変わらないと思ってしまうことで、その人の存在意義を見出せる「場」作りが大切です。

 それには相手の話を聞く機会を作ることや、それぞれがチームに貢献できる役割を作って権限を移譲することも考えなければならないでしょう。人には必ずそれぞれに合った役割があると思いますので、そこをチーム作りに生かすことが大切です」

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