定年バックパッカー海外放浪記

2016年6月26日

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高野凌 (たかの りょう)

定年バックパッカー

1953年生まれの62歳。横浜生まれ、神奈川県出身。大学卒業後は商社、メーカー勤務を経て2013年定年退職。2014年春から海外放浪生活を始める。放浪歴は地中海、韓国、インドシナ半島、インドネシア、サンチアゴ巡礼など。サラリーマン時代は主として海外業務に従事。ニューヨーク、テヘラン、北京にて海外駐在を経験。身長170センチ、57キロ。獅子座。A型。現在2人のご子息は独立し、夫人との2人暮らし。孫1人。

[フランス中西部Le Puyからスペインの聖地Santiagoを経てMuxiaまで]
(2015.4.22-7.16 86days 総費用37万円〈航空券含む〉)

いざや聖地を目指して巡礼開始

 4月25日 午前7時、フランス中西部にある中世の町Le Puy(ルピュイ)の大聖堂でミサに参加。司祭にサンチアゴ巡礼出発を祝福して頂き巡礼手帳に巡礼出発地の証印をもらう。午前8時過ぎに総勢30人くらいの各国からの巡礼者達と一緒に大聖堂の地下の門から巡礼の第一歩を踏み出した。今にも雨が降りそうな重苦しい曇天でかなり肌寒い。

ル・ピュイの街の高台に聳える聖ヤコブの像

 身長170cm、体重57kg、日頃鍛錬していない体に12kgのザックを背負って歩き出す。肩にずっしりとザックが喰い込み、これからスペイン北西端の聖地サンチアゴ・デ・コンポステーラまでの約1500kmを歩きとおせるか不安が込み上げてくる。

 経験者のブログによると1500kmはJR東京駅からJR鹿児島駅までの路線距離にほぼ等しいという。ご存知のようにサンチアゴ巡礼は聖ヤコブの亡骸がサンチアゴ・デ・コンポステーラに祀られたことから中世以来欧州各地からキリスト教徒が盛んに聖地巡礼をしてきたために巡礼道・巡礼宿が整備されてきたという。

 最盛期の12世紀には年間50万人もの巡礼者が欧州各地から聖地を訪れ、現在でも世界各地から年間20万人が聖地巡礼をしているという。

 私がサンチアゴ巡礼に興味を抱いたのは西欧文明の根幹となっているキリスト教を肌身で理解したいという知的好奇心と巡礼体験を通じて未知の異次元の世界を見たいという漠然とした期待感であった。

巡礼出発祝福ミサの始まりを待っている巡礼者

巡礼者とキリスト教

 私自身は日本の平均的な仏教徒の一人であると認識している。漠然と仏様を信じているが同時に神道も受容し、神社仏閣には年に数回お参りする程度の宗教心である。サンチアゴ巡礼は四国巡礼同様に万人に開かれており、巡礼道を100km以上歩けばだれでも巡礼証書を受領できる。

 サンチアゴ巡礼者支援協会によると年間約20万人の世界各地からの巡礼者のうち純粋な宗教心から巡礼しているのは全体の6%程度のようだ。実際に私が78日間で出会った多数の巡礼者のなかでも純粋に宗教的動機から巡礼していたのは数人しかいなかった。

 圧倒的多数は、自分を見つめ直したい、スピリッチュアルな体験をしたい、豊かな自然を楽しみたい、素晴らしい歴史遺産を見たい、歩くことで健康増進したい、というような私と同じような動機である。

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