定年バックパッカー海外放浪記

2016年6月26日

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高野凌 (たかの りょう)

定年バックパッカー

1953年生まれの62歳。横浜生まれ、神奈川県出身。大学卒業後は商社、メーカー勤務を経て2013年定年退職。2014年春から海外放浪生活を始める。放浪歴は地中海、韓国、インドシナ半島、インドネシア、サンチアゴ巡礼など。サラリーマン時代は主として海外業務に従事。ニューヨーク、テヘラン、北京にて海外駐在を経験。身長170センチ、57キロ。獅子座。A型。現在2人のご子息は独立し、夫人との2人暮らし。孫1人。

前途多難、歩き始める前から暗雲立ち込めて……

巡礼手帳は折り畳み式になっており、広げて延ばすと長さ1mくらい。上から順番に証明スタンプを押してもらい、足りなくなると裏面に続きを押してもらう。

 こうして結局荷物の重量は歩き始めの時点で食料・水を含めて12kgオーバー。

 さらに想定外であったのはルートマップ、ガイドブックである。日本では入手に時間を要し、かなり割高である。ブログによると巡礼宿、ホステル、ホテルなどの宿泊施設は数十kmに数軒あるかないからしいので詳細案内本を現地調達することにした。

 出発地のル・ピュイの巡礼者支援センターで地図付きのガイドブックを購入しようとしたがあいにく英語・スペイン語版は売り切れ。しかたなく仏語版を買った。

 英語・スペイン語なら何とかなるが仏語は学生時代以来のご無沙汰。ル・ピュイから3週間くらいの区間では森林や山道や放牧地が大半で地元の人の姿がみえず、日中に出会う巡礼者も数人しかおらず仏語のガイドブックでは不安であった。

 地図の凡例が複雑すぎて判読できない。水場や売店や避難所の有無や種類・注意事項が分からないのである。たまに地元の農夫等に凡例の意味を確認するのだが彼らの乏しい英語力と私のお粗末な仏語では却って混乱する結果となった。

歩き始めて最初の巡礼道標識。巡礼道はヨーロッパ中に無数にあるので主要道は道路番号がある。ジュネーブからピレネー山脈までの区間はGR65。上の標識はピレネー方面の次の宿場を示す。下の標識はジュネーブ方面の次の宿場を表示。巡礼道は整備されていない区間が多く、標識のかわりに 木の幹や岩にペンキで書かれたサインを見つけながら歩く。写真の様にGR65のサインは上が白、下が赤

泣きっ面に蜂……

 歩き始める前夜、4月24日はLe Puyのユースホステルに宿泊。夕食は買ってきたフランスパンにサラミとチーズを挟んでサンドイッチにした。ガブリと勢いよく食らいつくとガリッと異音。なんと前歯の差し歯が取れてしまったのである。

 数日後に巡礼道沿いの町で歯医者(danteste)に寄ったが美人の女医さん曰く「これは日本の先進的接着技術なので欧州の接着剤では仮留めしかできない」と流暢な英語でご託宣。80ユーロも支払って接着してもらったが、その日の午後にビスケットを食べたら案の定、接着したばかりの差し歯が取れてしまった。爾来帰国するまで前歯は欠けたまま。記念撮影でうっかりスマイルすると間抜け顔となってしまうのであった。

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