2024年4月18日(木)

古希バックパッカー海外放浪記

2016年7月10日

 マリーは内省的な性格のようで、「町で暮らすのが苦手で山のなかで自然に囲まれて暮らすのが人生の理想」という。高校卒業後はピレネー山脈にあるスキー場のスキーショップで働いており、夏場は山小屋の手伝いをしている。彼女は山歩きが大好きなので将来は山岳ガイドになるのが夢という。ヨーロッパの山岳ガイドは国家資格でかなりハードルが高いと聞いたことがあるが、果たして経験・実技の他に語学(外国語)、気象、救急手当等々多岐に亘るようである。

 山小屋は6月下旬からがハイシーズンなのでそれまでサンチアゴ巡礼を成就する計画を立てて、ジュネーブから毎日40km以上歩いてきたという。女子でかつ14kmのザックを背負って毎日40km以上とは海兵隊なみである。欧米女子のなかでは小柄な彼女のどこにそんなパワーがあるのか不思議であった。

山岳ガイド志望のマリーとオジサン

 彼女はカトリック教徒であるが教会にはほとんど行ってないという。過去のバックパッカー旅や今回の巡礼で知り合った欧州の若者はキリスト教徒であるがマリー同様に教会とは距離を置いており欧州全体に『教会離れ』が急速に進んでいるようだ。

 しかしマリーは教会には行かないが精神世界について深く考えているようだ。食後も赤ワインをちびちび飲みながら話していたら輪廻転生(reincarnation)を信じるかと聞かれたので「僕は仏教徒だけど仏教徒はみんな無条件に輪廻転生を信じているよ」と回答。

 するとマリーはぶ厚い本を取り出して「これはフランスの高名な物理学者が書いた本だけど輪廻転生を科学的に証明しているの。この本に夢中なの」という。マリーはアキレス腱を少し痛めたので明日は医者に診てもらい一日休養する予定という。私も急ぐ旅ではないのでマリーと因果応報・宿命(karma)とかダライ・ラマとか精神世界について時間を気にせずゆったりとおしゃべりした。


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