定年バックパッカー海外放浪記

2016年9月4日

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高野凌 (たかの りょう)

定年バックパッカー

1953年生まれの62歳。横浜生まれ、神奈川県出身。大学卒業後は商社、メーカー勤務を経て2013年定年退職。2014年春から海外放浪生活を始める。放浪歴は地中海、韓国、インドシナ半島、インドネシア、サンチアゴ巡礼など。サラリーマン時代は主として海外業務に従事。ニューヨーク、テヘラン、北京にて海外駐在を経験。身長170センチ、57キロ。獅子座。A型。現在2人のご子息は独立し、夫人との2人暮らし。孫1人。

リトアニアの天女アグネ

石畳の歩道に埋め込まれたホタテ貝マークの案内表示(貝の開くほう、すなわち右がサンチアゴ方面であることを示す)

 6月12日 アヘス(Ages)の公共巡礼宿を4時半に出発。周囲はまだ真っ暗闇である。ヘッドライトを持っていないので足元が見えないし、そもそも巡礼道を示す石などにペンキで書かれた道標が見分けられない。ヘッドライトを持っている巡礼者に先導してもらわないと歩き出せない。

夏時間のため7時近くになりやっと日の出だ。

 宿の外で五分ほど待っていると見覚えのある女子が出てきた。背が高い金髪の学生風女子だ。テニスのマリア・シャラポアを可愛くしたような感じだ。一緒に暗闇の中を歩き出す。彼女、アグネはリトアニアの出身。シャイな性格のようだが打ち解けてくると笑顔が文句なく可愛い。

 “命のビザ”の杉原千畝を知っているか尋ねたら「当然でしょう」(Why not?)と笑われた。アグネという名前が珍しかったので聞くと「リトアニアでは昔からある名前なの。水とか純粋という意味があるの」という。

 現在ロンドンで建築学を勉強している19歳。将来は建築家になりたいという。なぜロンドンに留学したか尋ねるとイギリスで建築学科を卒業すれば世界中で建築家として仕事ができるのだという。他の国では自国だけとかEU内とか資格に活動地域の制限があるという。

 「去年は一年目だったので必修科目が多くてレポートや作品の課題が毎週幾つもあり毎日寝不足だったの。それぞれの科目の指導教官がバラバラに課題と締切りを設定するので例えばデッサンとデザインの課題の締切りが重なったりして大変だったの。本当に意地悪だわ」

 「実は同じ建築学科で勉強している一学年上の従姉妹と一緒にアパート借りて住んでいるので色々教えてもらってすごく助かっているの。でも小さなアパートで鉄道の線路の脇なので一日中騒音がうるさくて夏は蒸し暑いし」

どこまでも広がる高原の田園風景

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