定年バックパッカー海外放浪記

2016年9月4日

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高野凌 (たかの りょう)

定年バックパッカー

1953年生まれの62歳。横浜生まれ、神奈川県出身。大学卒業後は商社、メーカー勤務を経て2013年定年退職。2014年春から海外放浪生活を始める。放浪歴は地中海、韓国、インドシナ半島、インドネシア、サンチアゴ巡礼など。サラリーマン時代は主として海外業務に従事。ニューヨーク、テヘラン、北京にて海外駐在を経験。身長170センチ、57キロ。獅子座。A型。現在2人のご子息は独立し、夫人との2人暮らし。孫1人。

 「小さい頃から絵を描くのが好きだったのでデッサンとかデザインは得意なの。二年目も強度計算とか難しい科目があるので大変だけどちゃんと卒業して外国の大きな建築のコンペティションに参加して大きな仕事を獲るのが夢なの。日本にも世界的に有名な建築家が沢山いるからいつか日本に留学したいわ」と楽しそうに続ける。

 アグネのおしゃべりを聞いているとこちらまで楽しくなってくる。どうしていつも一人で歩いているのか尋ねると「歩くのが遅いので他の人と一緒だとペースを合わせなければならないので疲れちゃうの。でもタカはゆっくりだからOKよ」

白い花があたり一面に咲いているなかをのんびりと歩く

 日が昇ってきた。美しい高原の田園が広がっている。なだらかな丘を登りきると素晴らしい眺望だ。10時頃に小さな教会に通りかかった。庭にテーブルとベンチがあったので早めのランチにした。アグネはバゲットと水とジャムだけだ。私がサラミとチーズを勧めると「生き物が可哀想だからお肉や魚は食べないの。チーズだけ頂きます」とのこと。

 穏やかな晴天の下、美しい高原のなだらかな道をアグネのような美少女とならんで歩いていると雲の上を歩いているようでスイスイ進んでゆく。たわいのないおしゃべりをしていたら、いつの間にか目的地のブルゴス(Burgos)に到着してしまった。市街地の端にあったパン屋(Paneria)で揚げパンをおやつ代わりに買って並木道を二人で並んで歩きながら食べた。極上のスィーツであった。

 サンチアゴ巡礼は正直しんどいが、たまには神様のご褒美があるようだ。

⇒第12回へ続く

  
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