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2016年6月17日

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オバマ米大統領は16日、ゲイクラブ「パルス」が襲撃され49人が死亡した米フロリダ州オーランドを訪れ、性的少数者のLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスセクシュアル)に対する差別と、国の内外で戦わなくてはならないと言明した。遺族を弔問した後の演説で述べた。

大統領とバイデン副大統領は、市内のアムウェイ・センターに集まった遺族のもとを訪れた。アムウェイ・センターの周りには数百人が集まり、大統領を出迎えた。

12日未明の事件以来、オーランド市内のドクターフィリップス舞台芸術センター前に多くの人が、花束や寄せ書きや風船を供え続け、にわか仕立ての慰霊碑になっている。大統領と副大統領は続いて、この慰霊碑を訪れ、花束を手向けた。

大統領はその後、「悲しむ遺族を抱き留め、抱きしめた。みんな口々に『どうしてこんなことが何度も起きるのか』と尋ねていた」と演説。さらに「遺族には政治のことなど、どうでもいいのです」と述べた。

大統領はさらに、銃撃犯がLGBTコミュニティーの聖域を侵害したのだと批判。米国内外で、LGBTに対する暴力や差別を終わらせるにはどうすべきか、誰もが考える必要があると述べた。

米紙ニューヨーク・タイムズの統計によると、他のどの少数者よりも憎悪(ヘイト)犯罪の対象になりやすいのがLGBTだという。

オバマ氏はその上で、共和党多数の連邦議会に対して、銃規制を強化する法律を成立させるよう強く呼びかけた。

「すべての悲劇を食い止めることはできない。この世界のすべての人の心から憎しみと悪を消し去ることもできない。けれども、いくつかの悲劇は止められる。いくつかの命も救える。賢く対応すれば、テロ攻撃の被害の程度を抑えることはできる。行動しなければ、これと同じような虐殺が今後も続く。こんなことが起きてもいいと、見逃す選択をするに等しいからだ」

しかしオバマ大統領のこうした訴えに対して、共和党重鎮で2008年大統領選の候補でもあったジョン・マケイン下院議員(アリゾナ州選出)は、乱射事件が起きたのは大統領が過激派勢力「イスラム国」(IS)に十分取り組まなかったせいで、大統領に「直接の責任がある」と批判した。

事件のオマール・マティーン容疑者は、ISに忠誠を誓っていると宣言して攻撃を実行したという。

マケイン議員は「(オバマ大統領が)イラクから米軍を全面撤退させると、アルカイダはシリアに行き、そこでISIS(ISの別称)になった。こんにちのISISの状態は、バラク・オバマの失策のせい、みんなをイラクから引き上げたひどい失策のせいだ」と述べた。しかし議員は後に、大統領自身がオーランド乱射に直接の責任があるという意味ではないと釈明した。

「パルス」襲撃では自動小銃が使われた。このため、銃規制法の強化を求める声が米国であらためて高まっており、連邦上院では15日から16日未明にかけて民主党のクリス・マーフィー議員(コネチカット州選出)が15時間近く演説し続ける「フィリバスター」という議事妨害戦術で、多数党・共和党に行動を促した。

アフガニスタン系でニューヨーク出身のマティーン容疑者の犯行動機は、いまだに明らかになっていない。テロ関連の疑いで米連邦捜査局(FBI)の取り調べを2度受けており、攻撃前から途中にフェイスブックで「欧米の汚いやり口」を批判していたことが新たに判明している。また、「パルス」の常連客でもあり、同性愛向けの出会い系アプリを使っていた一方で、友人や家族に同性愛者を憎むそぶりを見せていたという情報もある。

(英語記事 Orlando shooting: Obama condemns LGBT discrimination)

提供元:http://www.bbc.com/japanese/36556506

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