赤坂英一の野球丸

2016年6月23日

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 2020年東京五輪に野球が公式競技として復活したら、〝世界最多安打男〟イチローが参加する可能性はあるのか、ないのか。日米通算でピート・ローズ氏の持つ大リーグ記録4256安打を上回り、メジャーのみの3000本安打達成も時間の問題となっている中、プロ野球ファンの興味は早くも「イチローが次に何をやってくれるか」に移っている。となると、最も気になるのはやはり、56年ぶりに日本で行われるオリンピックのグラウンドにイチローが立つのかどうか、ではないか。

4257安打の記念セレモニー(AP/Aflo)

50歳まで現役を続けたい

 オリンピックイヤーの4年後、イチローは46歳になっている。マイアミ・マーリンズは「いたいだけいてほしい」と〝終身雇用〟を保証していると言われ、イチローもかねて「50歳まで現役を続けたい」と公言。いくら何でもそこまでは、という周囲の見方に反発するかのように、4257本安打を達成した後の記者会見でも、「ぼくは人に笑われるたびに目標を実現してきた」と強調していた。

 MLBと選手会は以前からシーズン中に開催されるオリンピックへの選手派遣には否定的だ。12年のロンドン五輪以降、野球が公式競技から外されたのも、アメリカが世界最高峰のメジャーリーガーを参加させない方針を打ち出したことが原因の一つ。MLBが方針を変更せず、イチローが現役を続けるのなら、イチローの東京五輪参加は夢物語に終わる。

 しかし、そのイチローの世界最多安打記録樹立と相前後して、ごく僅かではあるが実現の可能性が見えてきた。イチローが記録到達を目前にしていた最中、熊崎勝彦コミッショナーが渡米してロブ・マンフレッド・コミッショナーと直接会談。オリンピックへ大リーガーを派遣してほしい、と要請したのだ。

 この席で熊崎氏は「各国がベストメンバーをそろえて熱戦を繰り広げれば、世界的野球振興につながる」と訴えたという。マンフレッド氏は競技日程が具体的になってないことを理由に明確な回答を避けたが、条件付きであれば協力を承諾するかもしれない。例えば選手個人が母国の代表チームに参加したいと主張し、メジャー球団が許可した場合は参加を認めるという折衷案なら十分考えられる。

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