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2016年6月20日

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国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は20日、世界の難民や難民申請者、国内で住居を追われた人の数の合計が昨年末時点で推計6530万人に上り、第2次世界大戦後で最多となったと明らかにした。

UNHCRのグローバル・トレンズ・レポート(年間統計報告書)によると、昨年末の数字は1年前と比べて500万人の増加を示しており、世界で113人に1人が難民化しているという。

一方、UNHCRのフィリッポ・グランディ高等弁務官は、欧州が移民危機への対応に苦慮するなかで高まる「外国人排斥の空気」に懸念を示した。移民・難民の流入は、極右勢力や反移民政策への支持拡大につながっている。

国連が定める「世界難民の日」に合わせて発表された今回の報告書は、難民の数が初めて6000万人を超えたと指摘。そのうち半数以上がシリア、アフガニスタン、ソマリアの3カ国だけで占められているという。

国連によると、欧州での移民危機に高い関心が集まっているものの、難民の86%が低・中所得国で生活している。

最も多くの難民が生活している国はトルコで、250万人が滞在。パキスタンとレバノンがそれに続く。

国際移住機関(IOM)によると、海を渡って欧州に到着した人は昨年、101万1700人以上に上った。他の機関はこれを大幅に上回る数を示している。IOMによると、陸路で欧州に到着した人は3万5000人。

難民たちは、ドイツやスウェーデンなど比較的裕福な北部の国での居住を希望している。国連がまとめた2015年の難民申請者数では、ドイツが最大で、米国とスウェーデンがそれに続く。

トルコに滞在するシリア難民の大多数はトルコ政府の一時的保護措置の対象となっていることから、難民申請者には含まれない。

「外国人排斥の空気」

欧州の移民危機は欧州連合(EU)内で大きな政治的亀裂を生み、一部の加盟国は、域内の自由な移動をうたった「シェンゲン協定」に違反して、国境にフェンスを設置したり、国境での検問を行っている。

EUとトルコは3月に大量の移民流入を抑制する措置で合意したが、人権団体は合意内容を強く批判している。

UNHCRのグランディ高等弁務官はAFP通信に対し、欧州首脳らが政策協調にさらに取り組み、難民に対するマイナスな固定概念と戦う必要があると指摘した。グランディ氏は、「現在の欧州では、外国人排斥の空気が非常に心配される。この空気を醸成した責任は、難民や移民への反感をかき立てた人たちにある」と述べた。

グランディ氏は、EUが移民危機対応として決めた内容の一部が「実施されていない」のは残念なことだと指摘。「機会を逸した」と語った。

<用語について> BBCは、亡命申請の法的手続きを終えていない、移住中の人すべてを「移民」(migrants)と呼んでいる。この中には、戦争で引き裂かれているシリアのような国を逃れて移動し、難民認定される可能性の高い人たちも含まれる。また、各国政府に「経済移民」と分類される可能性の高い、より良い職業や生活を求めて移動している人たちも、「移民」に含まれる。

(英語記事 Refugees at highest ever level, reaching 65m, says UN)

提供元:http://www.bbc.com/japanese/36573394

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