BBC News

2016年6月23日

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米下院の本会議場で22日、銃規制強化法案の採決を求める民主党議員団が座り込みの抗議を始めた。今月12日にフロリダ州オーランドのゲイ・ナイトクラブで49人が死亡した乱射事件を受けて、規制強化を訴える声が高まっている。

連邦議会では、銃購入者の身元確認の厳格化などを含む規制強化案が与野党から提出されていたが、上院は20日に採決に進む動議を可決せず、事態は行き詰っていた。

共和党のポール・ライアン下院議長(ウィスコンシン州選出)は議場の混乱を収めようとしたが、議員たちは「法案なしなら休息なし」と繰り返した。

議場内の中継カメラが止められると、議員らは携帯電話でソーシャルメディアにライブ動画を投稿した。

議会中継の専門テレビ局「C-SPAN」は、民主党のスコット・ピータース議員(カリフォルニア州選出)がアプリ「ペリスコープ」で送った議場内の映像を提供。下院の規定には違反するものの、同局はそもそも座り込みが規定違反だと説明した。

22日夜までに、下院民主党の議員188人のうち168人、上院民主党の44人のうち34人が座り込みのため集結した。

座り込みが始まってから9時間以上が過ぎ、ライアン議長が休会によって混乱を収めようとした後、ほかの法案に関する採決に移ろうとした。

ライアン議長は小槌を叩き、抗議の声を無視しようとした。演壇からライアン議長が離れようとするなか、民主党議員たちは「恥を知れ、恥を知れ」と叫んだ。

民主党議員たちは1960年代の公民権運動でよく歌われた「We shall overcome(我々はいつの日か勝つ)」を歌い始め、銃乱射事件の犠牲者の名前が書かれたプラカードを掲げた。

一部の民主党議員は寝袋や枕を持ち込み、ドーナッツを配る議員たちもいた。

議事堂の前では、銃規制を訴える数百人が民主党議員を応援し、「議場を引き渡すな」「(議会は)役割を果たせ」と叫んだ。

現地時間の午前1時半(日本時間午後2時半)に短い休会が採決された後、午前2時半に再開された。共和党議員の大多数は、ジカウイルス関連の法案を採決した後に7月4日までの休会を望んでいる。

座り込みは、公民権運動で活躍した民主党のジョン・ルイス議員(ジョージア州選出)らが主導している。

「悲しみの涙」

座り込みを主導するルイス議員は、規制強化法案の成立が阻まれてきた過去1週間の動きを振り返り、「(暴力を止めるため)この組織は何を達成したというのか。何もしていない。罪なき人々の血に無関心でいる。危機だと分かっていない。勇気はどこに行ってしまったのか。これ以上何人の母親……父親が悲しみの涙を流さなくてはいけないのか」と語った。

オバマ大統領はツイッターで、ルイス議員が「銃暴力の問題の肝心なところで指導力を発揮した」と感謝した。

議員らの座り込みが議事堂内で続くなか、ワシントンに日が昇り始めた

ライアン下院議長は、座り込みをスタンドプレーだと批判した。

ライアン議長はCNNテレビに対し、採決は行わないと述べた。「必要な手続きを経なくては、憲法で保障された個人の権利を奪う法案を採決することはできないと、彼らは知っているはずだ」。

上院では法案成立を目指す議員らの交渉が続いている。民主党のハリー・リード院内総務(ネバダ州選出)は、テロ活動が疑われる人物への銃販売を禁止する法案に支持を表明。スーザン・コリンズ上院議員(共和党、メーン州選出)提出の同法案は、23日に審議される予定。

リード氏は、「小さな前進の一歩かもしれないが、少なくとも前進の一歩だ」と語った。

(英語記事 Gun-control protest sparks chaotic scenes in US Congress)

提供元:http://www.bbc.com/japanese/36603975

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