BBC News

2016年6月30日

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オバマ米大統領は29日、英国が欧州連合(EU)からの離脱を決めたことについて、「世界経済の成長への長期的な懸念」を生じさせていると語った。

カナダ・オタワで開かれた北米首脳会議に出席したオバマ大統領は、英国のEU離脱によって「英国や欧州全体に対する投資の可能性」が失われると指摘した。

オバマ氏はさらに、英国のEU離脱で混乱が起きることがないよう欧州の指導者らに求めた。

一方、ブリュッセルで28日に続いて29日も開かれたEU首脳会議は、英国を除く27カ国の首脳らが出席して行われた。首脳会議に英国が参加しなかったのは40年以上ぶり。

オバマ大統領は、先週23日に英国で実施された国民投票の結果、EU離脱が決まった後も、各国の中央銀行や財務省が準備を怠らなかったことで、「短期的には世界経済は安定を保つ」との見通しを示した。

しかし、「ブレグジット(Brexit=英国のEU離脱)が実際に進めば、世界経済の成長に影響するという、長期的な視点からの強い懸念が生じていると思う。それは英国や欧州全体に対する投資の可能性を失わせてしまう」と指摘し、「世界経済の成長率がすでに低いなかで、あまり助けにならない」と述べた。

オバマ氏はさらに、環太平洋経済連携協定(TPP)の批准に向けた努力を続けると約束し、自由貿易を強く擁護した。今秋の大統領選で共和党の候補になる見通しの実業家ドナルド・トランプ氏はTPPへの反対を表明している。

オバマ氏は、トランプ氏の名前は出さなかったものの、「米国史には、デマゴーグ(扇動家)が反移民感情を悪用した時期が何度もあったが、どうなっただろうか。彼ら(移民)は到着し続けた」と語った。

オバマ氏はさらに、英国やドイツに対するメッセージとして、「みんな息を継ぐことだ。(EU離脱は)困難で、面倒なプロセスになるだろうが、パニックする必要はない」と述べた。

オバマ大統領は、ドイツのメルケル首相と連絡を取ったことを明らかにし、メルケル首相が求めているのは、(英国に対する)懲罰ではなく、離脱がうまくいくことだと語った。

メルケル首相は、ほかのEU首脳らと同様、EU市民の域内の自由な移動は単一市場とは切り離せない、と主張している。さらに、英国との離脱交渉は、正式な離脱の通告があるまで行われないとしている。

首脳会談を終えた27カ国の首脳らは声明で、「単一市場にアクセスを得るためには、4つの自由すべてを認める必要がある」と述べた。4つの自由とは、域内におけるモノ、労働者、サービスと資本の移動の自由を指す。

キャメロン英首相は、英議会に対し、移動の自由をめぐる問題の解決は難しいものになると述べた。「正直に言って、ものごとを変えるためのさまざま交渉方法があるEUの内側にいても難しいのに、外部から働きかけるのはもっと難しくなる」と語った。

(英語記事 Brexit: Obama warns on global growth after UK vote)

提供元:http://www.bbc.com/japanese/36670056

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